
分厚く、しっかりとした表紙の絵本を開けるとき、子どもはいつもと少し違うその特別感にワクワク胸を躍らせます。
特にこの絵本は、開いた瞬間たくさんのユニークなイラストが生き生きと飛び出してきて創造の世界へと誘っていくのです。
この絵本は、ポーランドの若手作家カップルが書いた絵本です。地図と旅行が大好きな2人は、何時間でも、何度でも眺めていられる本を作りたかったそうで、世界の国々をすみからすみまで調べ上げ、丸3年をかけてこの地図とイラストを描かれました。
地理だけでなく、人間学、植物学、動物学、歴史、民俗学――あらゆる分野をイラストで紹介しています。子どものための最初の絵本ともいわれるコメニウスの「世界図絵」の現代版といえるでしょう。
42か国4,000以上のイラストがぎっしり詰まっており、動物だけでも900種類もいます。特徴をつかんだ動物のイラストを見るだけでも楽しいです。こんなところにも動物が生息しているのかと学びながら、地形やほかの動植物なども知ることでさらに想像力がかき立てられます。
絵だけではわかりにくいものには、簡単な説明もところどころにみられます。
フィンランド人はサウナが大好きとか、クリスマスツリーの飾りつけはドイツで始まったこと、カラオケは日本で生まれ世界に広がったなどの文化的なことから、エジプトのパン“エイシ”など説明をじっくり見て楽しむところもあります。
細部にまでこだわっているイラストは、縦371mm×横271mmの大版にもかかわらず、ところせましと描かれてあります。
色合いも、古い地図を思わせるような微妙な色彩で淡いベースの背景になっており、6歳の息子は「雰囲気がかっこいい」とお気に入りのようです。しかし、決して暗い印象はなく、背景にも合う黄色や赤、緑などの明るい色も上手に組み合わせて彩り豊かです。
地盤となる地形に、山川など自然はもちろん、観光名所や歴史上の人物、動物や植物に、食べ物だけでなく皿の盛り方まであり、食事としての生活環も感じることができます。
3歳の息子と「ここにこんな生き物がいるんだよ」「こんなものを食べているんだね」と一つ一つの絵を見て話題が膨らませやすく、一緒に楽しみながら読んでいます。
国ごとに、地図を囲む枠のデザインも異なりページをめくる度にそれもまた楽しめます。国名は二人の手書きで、その横に言語でどのように表記するのかもすべての国で書いてありこれはなかなか目にすることができない、この本ならではだと思います。
色々な読み方もできるからこそ、遊び心満載のこの絵本は年齢にとらわれずに楽しむことができます。
どんな国なのか見開きページを隅から隅までじっくり読むのもまた楽しめますが、動物や植物を国ごとに探していくのもいいし、国ごとの名前や服装など特徴を比べても楽しいです。
お友達の5歳の息子さんは、当然読むことができます。はじめは、ひたすら動物の絵ばかり見ていました。母親に聞き、翻訳アプリに自ら入力し調べていましたが、訳だけでなく正確な発音もアプリから聞くことができました。巻末にある国旗で、毎日「国旗クイズ」をしてると1ヶ月ほどでかなりの数を覚えました。国旗の柄と国名だけでなくJordanをヨルダンと読めるようにもなっていました。
地理が得意で特産物にも詳しい11歳の甥っ子に主人は写真集と一緒にこの本をプレゼント。本物の建物と見比べながら、目をキラキラとさせて7歳の妹と読んでいました。
どちらかといえば、大人の方が夢中になっている方も多いようです。ですが大人が夢中になれるくらいの方が、子どもと本当の意味で、一緒に楽しめるのではないでしょうか?
絵本を選ぶ際に、対象年齢や内容で選択するのは実は思っている以上に大変です。いつまでも愛用できて、いつからでも読めて、大人までも魅了してしまうそんな本はなかなか巡り会えないでしょう。
ですが、このマップスは絵としても地図としても、一緒に遊ぶことも可能で知的好奇心と想像力をかき立てます。親子の会話も話題が豊富なので弾みやすく、英語でもほとんどが名詞や簡単な単語なのでわかりやすいので、初めて読み聞かせる方におすすめです。
ライター:すずらん21
読み聞かせの会も含め、5ヶ月の息子と図書館通いも楽しんでいる本大好きママです。語
り手や絵本作家に一時期憧れており、その世界は特に興味深く、語学も好きな私は翻訳と原書両方読んで文化の違いも楽しんでいます。
本も出逢いと思っていて、今は子どもと一緒に音節を楽しんだり絵をじっくり見る、パ
ラパラと素早く読んだりと、子どもの脳科学も取り入れバリエーション豊かな楽しみ方をしております。
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