
本の裏表紙に書かれた一文がこの絵本のキーワード。
(※日本語訳版では、この一文は裏表紙ではなく絵本の最初に出てきます。)
原文
“In this book
With your little eye
Take a look
And play ‘I spy’”日本語訳
「ほんをひらいて
よくみてごらん
かくれてるひと
みつけてごらん」
この絵本は開いて左のページにはリズム感でいっぱいの語り口。右のページには淡く優しい色調の絵。その美しい絵の中から隠れている童謡や童話の主人公を探す、という読む→見る→探す→見つけるの楽しい繰り返しの1冊。
絵本の中でかくれんぼしているのは、マザーグースの童謡やグリム童話などを知っているお子さんにとっては馴染み深いおやゆびトムやシンデレラ―、3びきのくま、ジャックとジル、リトル・ボー・ピープ、ハバードおばさん、ロビン・フッド17〉などなど。
音韻を踏んだリズミカルな語り口が、愉快で楽しい気持ちを倍増させます。親子でかくれている人全員、見つけられるでしょうか?
この本の魅力は音韻を踏んだとてもリズミカルで読みやすい文と、何度も繰り返し出てくる「I spy」という言い回し。そして、ページを開くだけでホッとするような、やさしいタッチのイラストです。
原文
“Cinderella on the stairs
I spy the Three Bears”原文
“Wicked Witch over the wood
I spy Robin Hood”
などからもわかるように、最後のページ以外は全てこのように音韻を踏んだシンプルな2文のみが26ページも続きます。パパママにとっても、とても読みやすく、また子どもにとってもとても聞きやすい文なので親子で一緒にリズム感を楽しめます。
また、「Tom Thumb in the cupboard」や「Cinderella o the stairs」、「Robin Hood in his den」など場所を表す言葉もたくさん出てきます。読んでいるうちに、場所を表す前置詞の使い方なども自然と覚えられますね。
聞いても楽しい、絵を見ても楽しい、隠れている人を探すのも楽しいし、見つけるのも楽しい。自然と英文法も身に着けられる本作。小さめのボードブックなので、乳幼児にもオススメです!
イギリスではよく電車に乗っていると「I spy」ゲームをして遊んでいる親子をよく見かけます。このゲームが本作『Each Peach Pear Plum』(『もものきなしのきプラムのき』、評論社)のテーマにもなっています。
遊び方はとても簡単。シンプルな「当てっこゲーム」です。
1人が身の周りにあるものを1つ決めヒントを出します。そしてもう1人が、それが何かを当てる、というとてもシンプルなゲーム。この遊びをする時に、出題者が
「I spy with my little eye
Something ~(色) / Something beginning with ~(アルファベット)」
という決まり文句を言います。色や最初の文字のアルファベットをヒントに、答えを探っていきます。電車に乗ってる時や、病院などの待ち時間で子どもが飽きてきてしまう時に何の道具も必要なく出来る遊びなので、イギリスでは大人気!
絵本で「I spy」に馴染んできたら、こんな遊びを取り入れて英語の語彙を増やしてあげてはいかがでしょうか? 4才の娘は保育園の行き帰りは必ずこの「I spy」ゲームをします。日本語でも訳の一文を少し変えて「みのまわりを よくみてごらん かくれてるもの みつけてごらん」と同じゲームができます。娘は英語でも日本語でも「I spy」ゲームが大好きです!
本作の作者アルバーグ夫妻は、夫のアランがおはなしを執筆、妻のジャネットがイラストを手掛けており、イギリスでは誰もが知っている児童作品の名作を数多く残しました。その2人の代表作とでも言うべきものが、この『Each Peach Pear Plum』(『もものきなしのきプラムのき』、評論社)です。
この作品は1978年に絵本の画家に贈られるケイト・グリーナウェイ賞を受賞しました。本作以外に『The Jolly Postman』(『ゆかいなゆうびんやさんのだいぼうけん』、文化出版局)もオススメです。
絵本を開くと、「まさにイギリスの田園風景!」というような、のどかな風景のイラストが印象的な本作。絵の中には色んな人が隠れているので、そこからマザーグース童謡やグリム童話など読む絵本を広げていってもいいですね。英語版の当てっこゲーム「I spy」ゲームに親子でぜひ挑戦してみてください!
ライター:yumitchellco
3歳の女の子を持つ英国北部スコットランド在住のママです。
「本との出会いは一生の財産」をモットーに娘が0歳の時から毎日読み聞かせは欠かしません。絵本を通して様々な世界を体験してもらいたいと、日々、どんな絵本を読んでいるか、どんな絵本が面白いかママ友と情報交換をしては色々な絵本を読んでいます。
最近ではキャラクターグッズも大人気の、アーノルド・ローベル作「Frog and Toad(がまくんと...
子どもに英語で絵本を読んであげたいけど、発音に自信がないと悩んでいるママ必見! ネイディブの発音を聴...
世界中で大人気のカラフルな絵本『はらぺこあおむし』(偕成社社刊)は、エリック・カールの代表作といって...
みなさんは普段LINEを使いますか? LINEといえば、トーク中に押すLINEスタンプはマストアイテ...
2010年に村上春樹翻訳による新版が出版され、途切れることなく多くの人に読み継がれている『おおきな木...
最近ではキャラクターグッズも大人気の、アーノルド・ローベル作「Frog and Toad(がまくんと...
子どもに英語で絵本を読んであげたいけど、発音に自信がないと悩んでいるママ必見! ネイディブの発音を聴...
世界中で大人気のカラフルな絵本『はらぺこあおむし』(偕成社社刊)は、エリック・カールの代表作といって...
みなさんは普段LINEを使いますか? LINEといえば、トーク中に押すLINEスタンプはマストアイテ...
2010年に村上春樹翻訳による新版が出版され、途切れることなく多くの人に読み継がれている『おおきな木...