
新しい楽器を買ってもらったら、子どもたちはまずどうするでしょうか。もちろん「鳴らす」でしょうね。
この絵本に出てくる男の子も新しいラッパをもらいました。嬉しくてラッパを吹きながら森へ散歩に出かけると、動物たちに次々に遭遇します。みなさんもこの男の子と一緒に森の中へ出かけてみませんか?
ある日、男の子は紙の帽子をかぶり、ラッパを吹きながら森へ散歩に出かけます。そこには、昼寝をしているライオンがいたり、水浴びをしていた二匹の小象がいたり、ピーナッツを数えジャムを舐めたりしている2匹の熊に出会います。
不思議なことに、みんな男の子のラッパの音を聞くと、手を止めてついていきたくなるのです。楽しそうに一緒に楽器をならしながら、だんだん長い行列になって森の中を進みます。
動物たちと仲良くなった男の子は、一緒にかくれんぼをして遊び始めました。かくれんぼで鬼になった男の子は数を数え終え“Coming! ”と言って目を開けると動物たちはいなくなり、そのかわりに、思いがけない人があらわれたのです。
『IN THE FOREST』は、日本語では『もりのなか』(福音館書店刊、1963年)というタイトルで、以前読んであげたことのある絵本です。
読み始めると、子どもが「ちょっと待って!」と言い、すぐに本棚から日本語訳の『もりのなか』を持ってきました。
2冊を並べて、私がページをめくると、子どもは合わせて日本語版のページをめくっています。
“A big wild lion was taking a nap.”
(大きなライオンがお昼寝をしていました)
と一文ずつ読んでいきます。
絵を見ながら、次々と出てくる動物の名前を子どもたちと言っていきました。
最近テレビ番組で「動物戦隊ジュウオウジャー」がはじまりました。イーグル、シャーク、ライオン、エレファン、タイガーと呼ばれる動物をモチーフにした5人のヒーローが活躍します。
この番組が好きな4歳の男の子は聞きなれた言葉がこの絵本に出てくるので、“Two elephant babis were……”と言うと、「ん?」と注目し、「えれふぁん」と言っていました。
中でもとても反応を示したのは、猿のところです。
“A parade ! A parade! We like a parade! ”というとてもリズミカルな一文です。
6歳の長女はすぐに真似して「アパレ! アパレ! ウィ―ライカパレ! 」と何度も言いながら体を動かしていました。それを見ていた4歳の男の子が「あっぱれ? あっぱれ! 」というので、私もなんだかおもしろくなって笑ってしまいました。
この部分は、日本語訳もよくできていて「ぎょうれつだ! ぎょうれつだ! ぼくらは、ぎょうれつだいすきだ! 」となっているんですね。だから、どちらで読んでも楽しい雰囲気が伝わってきました。
男の子や動物たちも楽器を鳴らしながら楽しそうに歩いているのに、なぜかモノクロの絵で描かれているからか、私はいつも静けさを感じます。
動物たちがいなくなり、お父さんと一緒に向こう側へ去っていく姿は、とても余韻が残るラストシーンです。
原文
“Don’t go away! I’ll hunt for you another day. When I come for a walk in the forest.”日本語訳
「さようなら。みんなまっててね。またこんど、さんぽにきたとき、さがすからね! 」
この男の子のセリフがグッときました。うちの子も公園や森で動物たちと出会い、楽しく遊んだ帰り道には、きっと同じ言葉を発するんだろうなと想像しました。健気でなんともいえない、愛くるしさと切なさを感じさせます。
この絵本には続編『Another Day』(またもりへ)があります。約束通りまた森へ戻った男の子に、今度はどんな出来事が待っているのでしょうか。気になる方は、こちらも合わせて読んでみてください。
※日本語訳は日本語版の絵本『もりのなか』(福音館書店刊)引用しました。
ライター:Souffle
6歳、5歳、0歳の子どもの母です。
絵本は自分が大好きで読んだり、描いたりしています。
特に自然描写の豊かなもの、ユーモアのあるものが好きで、海外ものも含め毎晩寝る前に1冊ずつ読み聞かせをしています。子どもたちはまだ簡単な英単語しか理解していませんが、まねして発音しています。いつか絵本や読み物の舞台となった外国の地を、大きくなった子どもたちと訪れるのが夢です。
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