
金魚鉢から逃げ出した一匹の赤い金魚。
「かわいい金魚が、つぎはどこに逃げるのかな?」ページをめくるたびに、「あ! こんなところにいたよ!」と、金魚を発見!
見つけたときの喜びは、まるでかくれんぼをしているときの、鬼さんの気分。
子どもたちが、ワクワクして喜ぶ、楽しさにあふれた作品です。
子どもたちは、とにかく赤い金魚が大好き。作者の五味太郎さんの絵は、子ども心をガッチリつかむ魅力的な絵だなぁと感心してしまいます。
金魚さんは、さまざまな場所に現れます。 すてきなお部屋、遊園地、お菓子屋さん、それぞれ場所の説明はありませんが、楽しい場所ばかり。 そして、金魚さんは、どこかに必ず隠れているのです。
1才半の次女は、ページをめくるたびに「あ!」と、金魚を発見し、指を指して喜んでいました。 金魚さんも、お花に化けたり、カーテンの柄に紛れたり、カモフラージュしてくるので、うまく見つけられるかドキドキです。 「金魚さんどこかな?」と言うと、喜んで次のページをめくり、探していました。
6才のお姉ちゃんが、赤ちゃんだった時に購入した絵本ですが、少し大きくなって改めて読んでも十分に楽しめました。 お姉ちゃんが気に入ったのは、最後のページ。
「お友達といっしょにいられるから、もう逃げなくても大丈夫だね」 と感想を言ってくれました。
素敵な感想を言えるようになったお姉ちゃんに、子どもの成長を感じ、目頭がウルっときてしまいました。
お姉ちゃんには、英語で読み聞かせをしましたが、この絵本に出てくるのは、この2つのフレーズだけです。
原文
“Where’s Fishy?
There’s Fishy!”日本語訳
「おさかなはどこですか?
おさかなは、ここにいます。」
絵本を読んだ後、お姉ちゃんが、「この絵本の英語を書こう!」と言い出しました。 私も一緒にノートに書いて英語のお勉強です。
“There’s Fishy!” を「どういう意味なの?」と聞かれたので、「“おさかなはここにいます”と、いう意味だよと教えました。 さらに、「“There’s” は“ここにいます”で、“Fishy” が“お魚”という意味だよ」と付け加えました。お姉ちゃんの書いた日本語訳です。
原文
“There’s Fishy!”
日本語訳
「ここにいます ’ 魚!」
Where is~(~はどこですか?)や There is~(ここに~があります)というフレーズは、ご存じのとおり、中学生になってから習うものです。 中学校で、この日本語訳を書いたら、×をもらうかもしれません。 しかし、私は、100点満点以上をあげたいと思いました。 There’sとFishyの意味を理解しているではありませんか! しかも、このマーク「 ’ 」(アポストロフィ)までついています。
私は、あえて訂正して教え直しませんでした。 本人も言っていましたが、6才という年齢では、何回か書いたくらいで、There is~というフレーズを意味と共に覚えられるものではありません。 この一瞬だけ、この一行だけでも、言葉の意味を理解し、自分なりに翻訳したことを、うれしい思い出にしたかったのです。
本書『Where’s the Fish?』の他にも、約400冊の絵本を出版しています。代表作は、『Everybody Poos』(『みんなうんち』,福音館書店刊)で、世界10か国語以上で翻訳出版されています。
どの作品も明るくあっけらかんとした雰囲気があり、楽しいイラストと、常識にとらわれない発想力でたのしい絵本ばかりです。 子どもには媚びないストーリーをモットーとされていますが、それでも、かわいらしいイラストからは、作者の優しさが伝わってきます
本書の中でも、逃げた金魚が、赤いお花にまぎれているイラストのおもしろさが、 インスピレーションを刺激してきます。 お姉ちゃんは、このページをみながら、イラストを描いていました。 「今まで一番うまく葉っぱが描けた!」と喜んでいました。
作者は、「デザイン学校を卒業したあと、楽しいことを選んでやっていたら、いつのまにか、絵本作家になっていた。」と、発言していますが、楽しいことをやり続ける人生なんて、素晴らしいですね! 自分も、少しでもそうなれるように、何をすればよいか考えようと思いました。 そして、子どもたちにも、そんな楽しい人生を送ってもらいたいものです。
ライター:ブルア
絵本大好きライター。学生時代に英検2級を取得。
日本語と英語両方の出版がある絵本は、なるべく両方読むようにして英語の勉強を続けています。最近の図書館には、英語版も置いてあるので、とても助かります。
6歳と1歳になる女の子の叔母です。読み聞かせをする本は、なるべく文章が少なく、絵が楽しいものを選んでいます。楽しく英語を学んだ記憶は、子供たちの中に確実に残っていくと考えています。
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