種を超えた愛情が感動を呼ぶ! 子どもの多様性を育む優しいストーリー

海外絵本・英語絵本におすすめの『A Mother for Choco』

チョコはひとりぼっちで暮らす黄色い小鳥です。お母さんが欲しいとずっと願っていました。そして、チョコはお母さんを見つける旅に出ました。
最初に出会ったのはキリン夫人です。チョコは夫人に問いかけました。

 

原文
“You are yellow just like me! Are you my mother?”

 

日本語訳
「キリン夫人は、ぼくのように黄色いですね! あなたがぼくのお母さん?」

キリン夫人は困った顔をして、チョコとは違って夫人には空を飛ぶための羽根がないと言って否定するのでした。

 

海外絵本・英語絵本におすすめの『A Mother for Choco』

 

どこを探してもお母さんは見つからず、チョコはすっかり気を落としてしまいました。そんな時、クマ夫人と出会うのですが、チョコとは似ても似つかないクマ夫人がお母さんのはずありません。しかし、クマ夫人はチョコと一緒に歌ったり踊ったり、ハグをしたり、沢山の愛情を持って接してくれます。ママにしてもらいたかったこと全てを叶えてくれるクマ夫人は、身寄りのないワニ、ブタ、カバの子ども達と一緒にチョコを新しい家族として暖かく迎えました。

 

海外絵本・英語絵本におすすめの『A Mother for Choco』

 

チョコレート好きが絵本購入の決め手

今回紹介する絵本は、洋書も取り扱っているよく行く大型書店でたまたま見つけました。タイトルにもある通り、主人公の名前が「チョコ」ということで、息子の好みというよりは、チョコレートが三度の飯より大好きな私の一目惚れで購入しました。なんともいい加減な理由で購入することになりましたが、現代は溢れるほど本がある中で、私は少しでも運命的なものを感じる本との出会いを大切にするようにしていますし、それが結果的に息子にも何らかの影響を与えてくれるだろうと信じています。

 

著者のKeiko Kasza氏は、広島出身の日本人。1973年にアメリカに渡り、カリフォルニア州立大学でグラフィックアートを学びます。その後、レオ・レオニの作品「フレデリック」に感銘を受けて絵本作家に興味を持ち始め、アメリカで『The Wolf’s Chicken Stew』を出版します。本著はハードカバータイプの絵本で、表紙の大きさは縦14.5㎝×横12.5㎝と非常に持ちやすいサイズです。水彩画のような優しい色使いが特徴です。

 

ステレオタイプを捨てて多様性を受け入れる

主人公である小鳥のチョコは、自分のお母さんを探すにあたって「自分と身体的特徴が類似していること」を判断基準としていました。身体の色が同じキリン夫人、羽根のあるペンギン夫人、そして大きな頬を持つセイウチ夫人に次々と声をかけたのです。そうして、どの夫人からも「私とあなたはここが違うじゃない。」と言って否定されてしまうのです。最終的には主人公とは姿形の異なるクマ夫人が、一番の愛情を持って接してくれ、チョコのすべてを受け入れてくれました。それまでチョコが持っていた固定概念は覆され、たとえ似ていなくても家族となるための判断基準は愛情なのだと考えさせられました。それと同時に、多様性を受け入れることができるクマ夫人の寛容さも息子には教えていきたいと実感しました。私自身、2才の息子を育児中の身で正社員として仕事をしながら実感することがありますが、多様性を受け入れることが自分の視野を広げ、自身を成長させることができることができるのだと思います。

 

海外絵本・英語絵本におすすめの『A Mother for Choco』

 

親近感が湧く著者のプロフィール

Kasza氏の公式ウェブサイトを発見して、面白かったページが「10 Interesting facts about Keiko」のコーナーでした。このコーナーでは、著者に関するエピソードが10個書いてあります。中にはクスッと笑いたくなるようなものもあり、Kasza氏に対する親近感が湧きました。皆さんにもその一部を紹介したいと思います。

 

・Keiko’s worst subject at school as a child was art!
(著者が子どものころ、一番成績の悪かった教科は美術!)

 

・Despite her Japanese heritage, she doesn’t like to eat sushi.
(日本が産んだ文化的賜物にもかかわらず、お寿司が苦手である。)

 

・If she were not a children’s book writer, her ideal would be to work as a food/restaurant critic.
(もし著者が絵本作家でなかったら、グルメ・レストランの評論家として働くことが理想である。)

 

・Her last name, Kasza (pronounced as KA-ZA), sounds Japanese, but it is actually her husband’s Hungarian family name.
(著書の苗字Kasza(KA-ZAと発音)は日本語のように聞こえるが、実際はハンガリー人である旦那の姓である。)

自虐ネタも多く、ユーモアがあって魅力的な人柄だということが分かりますよね!

 

臨場感のあるストーリーの秘訣

Kasza氏は、 作品の制作中は登場人物になりきっていると言います。物語に出てくるキャラクターに感情移入し自ら演じることで、ストーリー設定がリアルになります。描かれている絵だけではなく、キャラクター一人ひとりのセリフもより身近に感じられます。本著の序盤では、主人公チョコの孤独さが自分のことのように辛く思えました。しかし、終盤チョコを受け入れてくれるクマ夫人の暖かさが読書を感動させます。思わず息子をぎゅっと抱きしめてしまうほどでした。

 

海外絵本・英語絵本におすすめの『A Mother for Choco』

 

今回の話を読んでみて、今2才の息子もあっという間に大きくなって、いつか親離れをする時がきても、その時々で与えられる親の愛情を精一杯、子どもに示していきたいとしみじみ思いました。子どもにとって、愛情というのは本当に大切で安心できるものなんだと改めて気づかされるストーリでした。

 

プロフィール

mayuko

ライター:mayuko

外語大学で第二言語習得やマルチリンガル教育について勉強しました。卒業後、モスクワ生まれのロシア人と結婚し2015年に長男を出産。家族全員で日・露・英のトライリンガルを目指しています!
平日は正社員として働いているため、子どもと遊ぶ時間が充分に取れないことに対して罪悪感に苛まれる時もあります。せめて動物と電車の絵本が大好きな息子のために、いつでも好きな時に本を読める環境を作るよう工夫しています。

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