かわいいいたずら子猫、フィンドゥスに夢中! 絵本『フィンドゥスがやってきた』

海外絵本・英語絵本におすすめの『Wie Findus zu Pettersson kam』

やんちゃな子猫フィンドゥスと、飼い主のペタ―ソンが活躍する「フィンドゥスとペタ―ソン」のシリーズは、もともとスェーデン語で書かれています。
このシリーズはドイツ語にも訳されていて、ドイツの子どもたちにもとっても人気。みんな、緑の目をしたかわいい子猫、フィンドゥスに夢中なのです。

今回ご紹介する『Wie Findus zu Pettersson kam(フィンドゥスがやって来た)』では、子猫のフィンドゥスがどうしてペタ―ソンのもとにやってきたのか、というエピソードが書かれています。

シリーズのどの本でもフィンドゥスはかわいいのですが、本書の中では、フィンドゥスがまだ赤ちゃんの頃の様子が描かれていて、本当にたまらなくかわいいのです。

やんちゃな子猫、フィンドゥスがやって来た!

ペターソンは田舎に住んで、自分だけの生活に不自由を感じていないおじいさん。でも時々、一人でいるのが寂しくなったりします。

「奥さんはもういらないけど、猫くらいならいてもいいかな?」

と言うのを聞きつけた世話焼きのおばさんが、ある日ペターソンのところにダンボール箱を持ってきました。

“Findus grüne Erbsen, 12 Dosen”(フィンドゥス社のグリーンピース。12 缶入り)と書かれたその箱に入っていたものは……

海外絵本・英語絵本におすすめの『Wie Findus zu Pettersson kam』

何と、緑の目をしたかわいい子猫でした!

緑色の目とそのグリーンピースの箱にちなんで、ペターソンは子猫を「フィンドゥス」と名付けます。

ペターソンは、もちろんフィンドゥスにメロメロ。独りぼっちの寂しかった生活が、わんぱくなフィンドゥスのおかげで賑やかになりました。

ペターソンはフィンドゥスに、子どもの頃の話や自分の知っている牛の話、新聞のニュースなど、何でも話してやります。そして、フィンドゥスもしゃべってくれたらいいのにな、と思うようになります。

そんなある日、雑誌を見ていたフィンドゥスが、サーカスのピエロの写真を見て、

原文 
“So eine Hose will ich auch haben.”

日本語訳
「僕もこんなズボンがほしいな」

と言ったのです!

とうとうフィンドゥスがしゃべった! ペターソンは大喜び。そして二人の間には、それまで以上に深い愛情がはぐくまれていくのです。

海外絵本・英語絵本におすすめの『Wie Findus zu Pettersson kam』

 

丁寧に描き込まれた絵の中から、作者の遊びを発見する楽しみ

この本は絵がとても素敵で、かわいいフィンドスを見るだけでも楽しいし、絵の中にいろいろな物が描き込まれていて、見ればみるほど発見があります。

ペターソンの飼っているニワトリたちがお茶をしていたり、本文とは関係のないキャラクターが、ところどころで勝手にいたずらをしていたり。

素晴らしく丁寧に描き込まれた絵の中から、作者がしかけた遊びを発見できるところは、島田ゆかさんの「バムとケロ」シリーズを彷彿させます。

本文は少し長めですが、絵の中に物語の情景が細かく描かれているので、ストーリーを追うのは難しくないと思います。

そしてお父さん(おじいさん?)のようなペターソンと、小さい子どものようなフィンドゥスの会話はとても生き生きして、使える日常表現が満載です。

例えば、早起きしたフィンドゥスが、まだ寝ているペターソンをはえたたきでたたいて起こすシーン。

原文
“Aufwachen, Pettersson!  Wir wollen spielen!”

日本語訳
「ペターソン、起きて! 遊ぼうよ!」

小さいお子さんをお持ちの方には、なじみのあるシーンですよね。うちでも、今だに下の子はこんなかんじです。

ペターソンのもとで日に日に成長したフィンドゥスは、どんどん行動範囲を広げ、ある朝、階段の下に空いていた穴から、家の中のまだ知らないところを探検に行きます。

海外絵本・英語絵本におすすめの『Wie Findus zu Pettersson kam』

目を覚ましたペターソンは家の中が静かなのに気づき、フィンドゥスを探すのですが見つかりません。

原文
“Findus!  Wo bist du?”

日本語訳
「フィンドゥス、どこにいるんだい?」

かくれんぼなどで、鬼になった子が隠れた子を見つけられないときになど、使われる表現です。

さてフィンドゥスの方は、家の床下から出たところで、庭に迷い込んできたアナグマに遭遇します。自分よりはるかに大きいアナグマに食べられちゃうのでは、と心配になって、古い木箱に隠れるフィンドゥス。怖くて、寂しくて、泣き出してしまいます。

はたしてペターソンは、フィンドゥスを見つけてくれるのでしょうか?

 

空想上の生き物が違和感なく暮らす世界

「ペターソンとフィンドゥス」シリーズの作者、スヴェン・ノルドクヴィストはスェーデンの出身です。もともと絵を描きたかったのですが、美術学校に合格できずに、最初は建築家になったそうです。でもイラストレーターとしての仕事は続けていて、やがて絵本で賞を取ってからは、絵本作家として活躍するようになりました。

この「ペターソンとフィンドゥス」のシリーズは、自国のスェーデン、そしてドイツでとても人気があります。絵本の他、CDやテレビシリーズ、人形劇や映画にもなりました。

この物語の一番の魅力は、ペターソンとフィンドゥスの間に築かれる深い信頼感と、あたたかい愛情だと思います。

そしてもう一つの魅力は、居心地のよい田舎の日常生活の中に、空想の世界が違和感なく溶け込んでいるところだと思います。

絵の中にほぼ毎回登場する、宇宙人のような小さな生き物、「ムックラ」は、作者が生み出した想像上の生き物です。

ムックラたちは、ペターソンの家の中や庭に住み着いて、居心地よく暮らしています。

気ままなお調子ものですが、フィンドゥスがアナグマに出会って怖がっているときは助けてくれるのです。

海外絵本・英語絵本におすすめの『Wie Findus zu Pettersson kam』

ペターソンにはムックラたちの姿は見えません。でもフィンドゥスから話を聞くと、「もう一人ぼっちで寂しいなんて思わなくていいな」と言います。

日常と空想の世界が違和感なく共存しているところが、まさに子どもの共感を呼び、それがこのシリーズが大人気になった秘密なのではないかな、と思います。

 

愛情たっぷりのやさしいペターソンと、やんちゃでかわいい子猫のフィンドゥス。不思議な生き物も共存するおおらかな世界で、仲良しの二人が繰り広げるほのぼのとした日常を、お子さんといっしょにぜひ一度のぞいてみてください。

海外絵本・英語絵本におすすめの『Wie Findus zu Pettersson kam』

プロフィール

brezel

ライター:brezel

ドイツに暮らして、はや十数年。ドイツ人の夫と、一男一女といっしょに、古城街道にある小さな村でのんびりとしたドイツ生活を送っています。
子供のときから大の本好きで、絵本や児童書の翻訳家になるため、ただいま勉強中。子供のために本を選びながら、いい本との出会いを楽しんでいます!

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