冬の朝にほっこりしたい 仲良しバムとケロのおかしなデイリーライフ

海外絵本・英語絵本におすすめの『bam and keros frosty morning』

カナダのオンタリオ州在住の絵本作家・島田ゆかさんのバムケロシリーズは、愛らしい絵柄と雄大な自然、そして細かい部分までしっかり描かれた、何度読んでも新しい発見がある楽しい絵本です。

海外絵本・英語絵本におすすめの『bam and keros frosty morning』

『バムとケロのさむいあさ』(文溪堂社刊)はシリーズ三作目として日本語版が1996年に、英語版が2015年に刊行されました。物語は犬のバムとカエルのケロが暮らす家を舞台に、二人のいつもの日常から始まります。

ある寒い朝、バムは鼻先が冷たいのに気づきました。きっと裏の池が凍っているに違いないと、早速ケロと一緒に釣り道具とスケートを持って出かけます。行ってみると、なんと池にはあひるが一匹凍り付いていました。あひるの名前はかいちゃん。家に連れ帰ってお世話するうち、すっかりかいちゃんに懐いたケロでしたが、あくる朝かいちゃんはいなくなっていて……。

自由奔放なケロと、かいがいしくお世話するバムの二人の共同生活。可愛らしいやり取りに、思わずほっこりすること間違いなしです。

可愛らしく凝ったディテールにハマる!

海外絵本・英語絵本におすすめの『bam and keros frosty morning』

まず目を引くのは、バムとケロが暮らす家の中のディテールの緻密さ。バムにはバムの、ケロにはケロの日用品が一つずつ丁寧に描かれ、二人が本当にこの家に住んでいるというリアリティが生まれています。

そんなディテールに気づくと、断然もっと細かい部分までじっくり見たいと思うようになります。すると…最初のページからセルフパロディを発見! 同作者の別のシリーズ『かばんうりのガラゴ』(文溪堂社刊)の絵本が二人のベッドの間に落ちていました。

そしてなんといってもバムが作るおやつや朝食など、食べ物がとっても美味しそうに描かれているのが魅力です。朝食にはクルトンたっぷりのコーンスープ(ケロはクルトン入れすぎ!)や、バムとケロの顔のパンが焼いてあったり、おやつのプリンにはやっぱり二人の顔のクッキーが乗せてあったり。どれも真似て作って食べてみたいものばかりです。

もう一つ、細かいところをじっと見ていて気づくのが、一緒に暮らしている小さな小さなキャラクター。ちゃんと名前もついています。小さな犬はヤメピ、頭に三本耳があるウサギみたいな小さな生き物はおじぎちゃんです。なんとグッズもあるのです! ヤメピはいつも二人と一緒にいます。もしかしてバムの家のペットなのでしょうか? ヤメピが何をしているかもよくよく見てみると面白いですよ。

手書きの文字も読んで日英文の違いを楽しむ

海外絵本・英語絵本におすすめの『bam and keros frosty morning』

このお話は冬の寒い日が描かれていて、英語版にも冬の季語がたくさん出てきます。

例えば、タイトルにも入っているfrosty(霜の降りる・凍る寒さの)という形容詞は晴れているのに冷え冷えするような朝にぴったりですね。他にもcoldとicy cold(氷のように冷たい=日本語版では「とてもさむいひ」)やfrozenとfrozen solid(凍って固まる=日本語版では「かちんこちんに こおっている」)などがあり、寒さを表す単語を覚えるチャンスです。

また、手書き文字の部分にも面白い工夫が凝らしてあります。

ケロが裏の池に行くときに乗っているカートには“Bait Donuts”と書かれた箱も入っています。日本語版を見ると「えさ用ドーナツ」と書いてありました。Baitは釣り針につけるえさのことです。このえさは表紙・裏表紙にも描かれていますが、それは後ほど。他にも、かいちゃんが書き残した手紙もきちんと英文で書き直してありますし、表紙には池のほとりにある注意書きも英文に変わっていますよ。

海外絵本・英語絵本におすすめの『bam and keros frosty morning』

手書き文字もすべて英文化してある英語版は、日本語版との違いや発見の楽しみが倍増しているのです。まだまだあるので、ぜひお子さんと一緒に見つけてみてください。

魔の2才児がとりこになるケロの魅力

海外絵本・英語絵本におすすめの『bam and keros frosty morning』

息子が「バムケロ」シリーズを読み漁っていたのは、ちょうど魔の2才児と呼ばれた2~3才の頃でした。中でも一番のお気に入りだったのが、この『バムとケロのさむいあさ』。図書館で何度も借り何度も読み返し、ついには欲しくなって書店に行くと、小型絵本が発売されていました。すぐにお出かけ用に購入したのを覚えています。

特に息子の気を引いたページは、みんなでお風呂に入るシーンとケロ発案のミイラごっこでした。みんなで入っているのに堂々とおならをしてしまうケロ、家中のトイレットペーパーをひたすらすべてのものに巻きつけるというミイラごっこ。後片付けにヘトヘトになるバムの気持ちもお構いなしに、絶対トイレットペーパーを外さないケロの姿を見ると、魔の2才児だった息子を思い出して、今でも苦笑してしまいます。

この絵本の何がそんなに魅力的だったのかというと、そういったケロの自由気ままなキャラクターだったようです。10才になった今、改めて英語版を一緒に読んでみても、やはり好きなのはケロだそうです。しかも実は今もこっそり『……さむいあさ』をたまに読んでいると告白。またもや苦笑してしまいましたが、基本的には変わっていない息子に少しホッとしました。

海外絵本・英語絵本におすすめの『bam and keros frosty morning』

前述したえさ用ドーナツが描かれた表紙と裏表紙を、物語を読んだ後に見ると新しい発見がたくさん詰まっています。かちんこちんに凍った池に座って釣りを楽しんでいるバムとケロ。丸く開けた氷の下には魚たちがえさのドーナツに食いついていて、なんと「ドーナツ・レストラン」と書いてあります。その脇をよく見るとおじぎちゃんが潜水艦に乗っていますよ! こうしたディテールと楽しい仕掛けこそが、長く愛される理由なのではないでしょうか。

「バムケロ」シリーズは『Bam and Kero’s sunday』『バムとケロのにちようび』(1996年,文溪堂社刊)から始まり、2作目『バムとケロのそらのたび』(1995年,文溪堂社刊)、本作『バムとケロのさむいあさ』、4作目『バムとケロのおかいもの』(1999年,文溪堂社刊)、5作目『バムとケロのもりのこや』(2011年,文溪堂社刊)と続いています。

ちょうど『……さむいあさ』の小型絵本を買った年に12年ぶりの新作が出ていて、息子が大喜びしていたのも思い出します。

また長いインターバルが空いても、カナダの美しい大自然や可愛らしいキャラクターたちが登場する新作を心待ちにしています。それまでは息子のように同じ絵本を何度も読み返し、新たな発見をしながら長く楽しみたいですね。

プロフィール

suppy

ライター:suppy

9歳になる息子と今まで多言語学習と世界の絵本に親しんできたアラフォーママです。
いろいろな国の言葉に触れて世界に興味を持ってほしいと思い、こども図書館やおはなし会に通って、たくさんの絵本と出会いました!
子どもと一緒に英語の発音を改めて勉強するつもりで、今も英語絵本の読み聞かせをしています♪

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