『どこいったん』オチにビックリ! それともニヤリ? ブラックユーモア英語絵本

海外絵本・英語絵本におすすめの『I want My Hat Back』

海外絵本・英語絵本におすすめの『I want My Hat Back』

黒目のクマが二本足でヌッと立っているのが印象的な絵本『I WANT MY HAT BACK』(『どこいったん』,クレヨンハウス社刊)を本屋さんや図書館で見かけたことはありますか? クマのただならぬ様子が気になって一度手に取ったら、すっかりクマのトリコになってしまうという不思議な魅力のある本です。

ストーリーはとてもシンプル! お気に入りの赤い帽子を失くしたクマが森の仲間たちに尋ねて歩きます。途中のサプライズと最後のブラックユーモアに思わずビックリするユニークな物語です。

作者のジョン・クラッセンはカナダのオンタリオ州ナイアガラフォールズ出身。ナイアガラの滝のすぐそば、カナダの大自然の中で育ったクラッセンの描く森の動物たちの不思議な佇まいにも注目です!

難しい時制・現在完了形が自然に身に付く!

海外絵本・英語絵本におすすめの『I want My Hat Back』

帽子を探すクマはまずキツネに尋ね、二人でこんな会話をします。

原文
“Have you seen my hat?”
“No. I haven’t seen your hat.”
“OK. Thank you anyway.”

日本語訳
「ぼくのぼうし どこいったん?」
「きみのぼうし しらんなあ。」
「そうか おおきに。」

また、クマは次の仲間に尋ね続けます。このやり取りを繰り返し読んでいくと、自然に現在完了形の意味と使い方をマスターできるのです! 

日本人にはあまり馴染みのない「現在完了」の意識ですが、「~したことある?」「~したことないよ」という会話はよくすると思います。“Have you~?”“No. I haven’t~”を使って親子で会話してみると、英語表現をより身近に感じられます。

例えば、“Have you seen a rainbow?”“No. I haven’t.”「虹を見たことある?」「いや、ないよ」や、“Have you eaten natto?”“Yes. I have.”「納豆を食べたことある?」「うん、あるよ」などの短い文章でお子さんとやり取りすると、すぐに現在完了の使い方を覚えてしまいます。逆に質問してもらっても楽しいですよ!

日本語版との読み比べで楽しむ関西弁のリズム

海外絵本・英語絵本におすすめの『I want My Hat Back』

すでにお気づきとは思いますが、実は日本語版は関西弁訳になっています。普通に訳すと「ぼくのぼうし 見なかった?」となる文も、訳者の長谷川義史さんの手にかかると「ぼくのぼうし どこいったん?」となるのです。

読む時にも「どこいったん?」のリズムが心地よく、英語のリズムとはまた違った「ノリ」を楽しむことができます。関西出身でない方も、ぜひ一度このリズムに乗って読み聞かせにチャレンジしてみてください! 特にウサギとのシビアなやり取りは、英語・日本語とも早口でまくしたてると子どもは大喜びです。

物語のキーとなるウサギのセリフは赤文字で印刷されています。他の動物のセリフは暖かい色で表現されているので、とても強弱をつけやすくなっています。クマとウサギの表情だけのページは少し間をおいて、じっくり見てから次のページをめくると、とっても怖いかもしれませんね……。

海外絵本・英語絵本におすすめの『I want My Hat Back』

I would / would not の使い方もわかる!

海外絵本・英語絵本におすすめの『I want My Hat Back』

メインの会話はほとんど現在完了形“Have you seen~?”を使ったものですが、何度も読むとwouldを使った文に目が留まります。“I would / I would not~”は「~する/~しない」という意志の強調で、wouldは会話文でとてもよく使います。

“Would you like me to lift you on top of it?”「のせたげよか?」(~してあげようか?)という文章も出てきて、would の他の使い方もわかります。“I would like to~”「~したいのですが」という表現もよく聞きますね。

このお話では、2つの重要な場面に2回ともwould文が出てきます。

一度目はウサギの“I would not steal a hat.”「ぼうしなんか とってへんで。」、二度目はクマの“I would not eat a rabbit.”「うさぎなんか さわったこともないで。」です。

関西弁の「~してへんで」が実に印象に残りますが…あれ? よく考えたら、日本語訳が意訳されていますね! 日本語版では「さわったこともないで」と表現がソフトになっています。英語版を読んでこれを初めて知った息子は、さすがにゾッとしていました。

日本語版を読んでから英語版を読むと、絶妙なブラックユーモアに思わず苦笑……。いえ、絶句してしまいますね。

カナダの大自然の中ではクマがウサギを食べることなんて、日常茶飯事なのでしょうか?独特なブラックユーモアで、日本とのユーモアの違いも感じられるお話ですが、最後まで読んでからもう一度表紙を見ると、クマがますます不気味に見えてきますね。

意外なオチにドキッとして興味がわいたら、ぜひ親子で日本語版と英語版の違いを語り合ったり、動物たちの会話を繰り返し声に出して練習して、応用してみてください!

プロフィール

suppy

ライター:suppy

9歳になる息子と今まで多言語学習と世界の絵本に親しんできたアラフォーママです。
いろいろな国の言葉に触れて世界に興味を持ってほしいと思い、こども図書館やおはなし会に通って、たくさんの絵本と出会いました!
子どもと一緒に英語の発音を改めて勉強するつもりで、今も英語絵本の読み聞かせをしています♪

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