フランス語に親しむ一冊。伝統菓子から文化と言葉を学ぶ

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みなさんは1月のエピファニー(公現祭)をご存知でしょうか?

東方から3人の博士が流れ星に導かれ、ベツレヘムに到着しキリストの誕生を祝った日とされています。

この日を祝いこの時期フランスでは、スーパーやパン屋の店先には「ガレット・デ・ロワ」と言われるお菓子が並びます。今回はそのガレットのお話です。

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 歌を唄いながら進む、ガレットの森探索

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森のそばに住んでいるおじいさんとおばあさん。ある日、おばあさんが落ちている小麦を掃き集めて粉にして、おじいさんの好物のガレット(デ・ロワ)を焼きました。しかし、焼きたてのガレットは熱すぎたので、おばあさんは窓辺に置いて冷ますことにします。

すると……、なんだかつまらなくなったガレットは窓辺から飛び降りて森へコロコロと転がって行きました。

まずガレットが出会ったのはうさぎ。それからオオカミ、熊……。美味しそうなガレットを見た動物達に「食べてやる」と言われるたびに、ガレットは言います。

“Non, non, écoute plutôt ma petite chanson.”
(違う違う、それより私の歌を聞いて。)

そう言って「ガレットの歌」を歌い、うまく動物達を交わして、一口も食べられることなく、さらに森の中を転がって行くのです。

そして森の奥深くで、とある動物に出会います。ガレットは同じように切り抜けようとしますが……。

 わくわくしてしまう繰り返しの魔法

この本はページの構成が大変考えられています。動物達とのやり取りを見開きの左ページに、ガレットの歌を右ページに、歌のあとの捨てゼリフを次のページに書いてあるのがポイントです。

この構成のおかげで、子供達は歌が始まると、次のページで何と言うかがわかっているので、動物たちがまんまと騙される“繰り返し”に、わくわくしてしまうのです。

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最後に出てくる動物(皆さんは絵からもうご存知かと思いますが、あえてここでは書きません!)は、ガレットよりもうわ手で、ガレットに向かってこう言います。

“Je suis vieux, Je suis sourd”
(私は年寄り、私は耳が遠いんだ)

 このsourdは、「耳が遠い」とか、「耳が聞こえない」という意味ですが、性格などを指して「ぼんやりした」とか「鈍い」という意味もあります。この辺が仏単語の妙といいましょうか、曖昧なところでガレットを油断させているのでしょう。

ガレットもそれまでとは違った行動を取りますが……。それは読んでからのお楽しみです!

日本でのエピファニーの楽しみ方

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エピファニーで食べるガレット・デ・ロワは絵本の楽しみ以外にもあります。ガレットに中に仕込まれた陶器でできた小さなかいかわいい人形フェーブを取り当てた人が王様(女王様)になり、その幸運が一年続くというジンクス的な行事があります。幼稚園では実際の出来合いのパイ生地を使ってガレットを焼いたり、王冠を工作したりしてエピファニーを楽しみます。

この絵本は、幼稚園などでクリスマス休暇があけた新学期の1月に良く読まれる本です。初版は1950年。60年以上たった今でも親しまれています。

フランスでは有名な児童文学書籍のPère Castorシリーズの中の“クラッシク”の1作で、現在は3話セットのCD付きの本も出版されています(対象年齢3歳~ 13.50€)

発音に自信のないママには、CD音声を流しながら一緒にページをめくってあげてもよいですね。

プロフィール

Jintk

ライター:Jintk

4歳違いの二人の息子のママです。今でも幼児教育において読み聞かせを重視しているフランス。その公立幼稚園で推薦図書として毎月定期購入していた絵本を読み聞かせていました。また日本語教育として日仏両語で出版されている絵本を購入することも。フランスでは学校の勧めで発音矯正士に通わせたりするケースがあり、きちんとした発音を大変気にします。そのためCD付きの絵本があればそちらを購入するようにしています。

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