自分の色を探しに行こう! 鮮やかな色彩でめぐるレオ・レオニのアート絵本

海外絵本におすすめの『seine-eigene-farbe』

レオ・レオニといえば『Swimmy』(『スイミー―ちいさなかしこいさかなのはなし』、好学社刊)が有名な絵本作家ですが、実は40冊以上もの絵本を出版しています。他にも『Frederick』(『フレデリック―ちょっとかわったのねずみのはなし』、好学社社刊)、『Cornelius』(『コーネリアス―たってあるいた わにの はなし』、好学社社刊)など動物を主人公にした絵本がたくさんあり、その多くを谷川俊太郎が訳しています。

海外絵本におすすめの『seine-eigene-farbe』

その中でも『じぶんだけのいろ いろいろさがしたカメレオンのはなし』(好学社刊)は、レオ・レオニの特徴ともいえる鮮やかな色彩をメインにした、哲学的で深いお話です。

オウムは緑、金魚は赤、ゾウは灰色、豚はピンク……動物たちにはそれぞれ自分の色があるのに、なぜ自分には自分だけの色がないのだろうと悩む一匹のカメレオンがいました。

どこへ行っても周りの環境でその色に変ってしまうカメレオン。

緑の葉っぱの上にずっといれば緑色でいられるのかな? と登ってみても、季節は移ろい、また色が変わってしまいます。カメレオンは自分だけの色を見つけることができるのでしょうか?

ドイツ語おはなし会で出合ったドイツ語絵本

海外絵本におすすめの『seine-eigene-farbe』

息子が5才と7才の時に、こども図書館のドイツ語おはなし会に参加したことがあります。広島市こども図書館では定期的に外国語おはなし会を開催していて、まだ2才くらいのころからよく通っていました。

7才の時のおはなし会は「ドイツのことばとあそびにふれよう」というタイトルで、広島在住のドイツ人によるドイツ語絵本の読み聞かせやドイツ語の歌遊び、ハンカチ落としや追いかけっこのような体を動かす遊びなど、いろいろなドイツの言葉と遊びに触れることができました。

読み聞かせの絵本は二冊で、『Klein-Hasi』(『うさちゃんたいへん』,篠崎書林刊)と、今回ご紹介する『Seine eigene Farbe』(『じぶんだけのいろ いろいろさがしたカメレオンのはなし』,好学社刊)でした。どの言語のおはなし会でも見開きページごとに日本語版と交互に読んでもらえるので、お話もスムーズに入ってきます。

他にも絵本だけでなくドイツ関係の本が並べてあり、借りてみたい本もいろいろありました。おはなし会の会場に置いてあった絵本で気に入ったのは『Pits neue Freunde』(『ペンギンピートのともだち』、フレーベル館刊)。マーカス・フィスターというスイスの作家の絵本で、「にじいろのさかな」シリーズで有名です。

追いかけっこ遊びは「アイスベア」という名前で、白くま=アイスベアが魚=フィッシュを追いかけて食べちゃうというもので、参加していた子どもたちも乳幼児から小学生まで、本当に楽しそうでした。そろそろ息子には遊びや絵本が幼すぎるかも? という心配はいらなかったようで、思い切り楽しんでいました。この日息子はアイスベアとフィッシュというドイツ語を覚えて帰りました。

色や動物の名前はドイツ語で何というの?

海外絵本におすすめの『seine-eigene-farbe』

自分でドイツ語の読み聞かせは難しい? と思われるかもしれませんが、実はドイツ語と英語は言語的には兄弟なんです! 発音が難しい部分もありますが、単語を見ると英語に似たところも発見できます。

特にこの絵本は身近な色や動物が描かれているので、ドイツ語で色や動物の名前は何というのかな? とお子さんと一緒になって興味を持って見てみるのも楽しいと思います。また四季の移り変わりも描いていて、季節や自然が色を変えていく様子をカメレオンの色で知ることができます。

登場する色の名前は、緑=Grün(グリューン)、赤=Rot(ロート)、灰色=Grau(グラオ)、ピンク=Rosa(ローザ)、黄色=Gelb(ゲルプ)、紫色=Violett(ヴィオレット)、黒=Schwarz(シュヴァルツ)、白=Weiß(ヴァイス)です。緑や赤、灰色や紫は英語に似ていませんか?

動物も見てみましょう。オウムはPapagei(en)でパパガイ(エン)と読みます。英語ではparrotですね。-enや-eはドイツ語では複数形です。金魚はGoldfisch(e)でゴルトフィッシュ、英語ではgoldfishでほとんど一緒です。ドイツ語おはなし会で遊んだ「アイスベア」で覚えた魚=Fischです。

ゾウはElefant(en)、豚はSchwein(e)、虎はTiger、そしてカメレオンはChamäleonです。豚はシュヴァインで全然違いますが、ゾウはエレファント、虎はティーガー、カメレオンはやはりカメレオンと読みます。

もう一つこの絵本には、縞模様と水玉模様が出てきます。英語ではstripesとdotsですが、ドイツ語では何というのでしょう? Streifen(シュトライフェン)が縞、Tupfen(トゥプフェン)が水玉です。英語とドイツ語を比べてみると、似ている単語がもっとたくさん出てきて面白いですよ。

レオ・レオニの人生と重なるカメレオン

海外絵本におすすめの『seine-eigene-farbe』

この絵本の作者レオ・レオニの人生は居場所を転々とするものでした。オランダのアムステルダムでユダヤ人家庭に生まれ、14才でイタリアへ移住し、ジェノヴァ大学で経済学を学んでいます。美術の勉強ではなかったのですね。

そしてイタリアで結婚しましたが、第二次世界大戦が始まりイタリアにファシスト党が台頭してきた1939年、アメリカへ亡命しました。アメリカでは広告業界でグラフィックデザイナーとして活躍しています。

イタリアへ戻ったのは1960年、絵本を描き始めたのは1959年のことでした。孫のために即興で作った物語が、『Little Blue and Little Yellow』(『あおくんときいろちゃん』、至光社刊)を描くきっかけとなったそうです。

イタリアとアメリカを行き来し、職業もライター、グラフィックデザイナー、イラストレーター、絵本作家、そして彫刻家などさまざまな面を持ったレオ・レオニ。居場所を転々として自分だけの色を探したカメレオンに、どこか似ています。

最近「友だちに振り回されてばかりでツライ」と言う10才になった息子に改めてこの本を読んでみると、それなりに新しい発見があったらしく、「カメレオンはいつも自分と一緒にいてくれる親友を見つけられたんだね」と話し合いました。

海外絵本におすすめの『seine-eigene-farbe』

自分の個性とは何なのか悩んだ時は、いろいろな場所へ行って一生懸命探せばいいということを、カメレオンに教えてもらいました。外面が変わったとしても、内面が変わらないことこそが一番大切なのではないでしょうか。

本当の自分、本当の友だちを見つけることは難しいことですが、アイデンティティ探しの旅は誰でもするものですね。あまりにも周りの色に染まり過ぎて、本当の自分に自信がなくなった時に、ふとこの絵本を思い出して読んでみるのもよいかもしれません。

プロフィール

suppy

ライター:suppy

9歳になる息子と今まで多言語学習と世界の絵本に親しんできたアラフォーママです。
いろいろな国の言葉に触れて世界に興味を持ってほしいと思い、こども図書館やおはなし会に通って、たくさんの絵本と出会いました!
子どもと一緒に英語の発音を改めて勉強するつもりで、今も英語絵本の読み聞かせをしています♪

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