何だか楽しくなってくる! ウサギの親子のおしゃべりに思わずクスリ

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子ウサギは、ある日、おかあさんから逃げ出したくなりました。そこで、「ぼく、にげちゃうよ」と言い出します。 おかあさんは、優しく「坊やが逃げたら、お母さんは追いかけますよ」と答えます。 子ウサギは、「魚になって逃げちゃうよ」「鳥になって逃げちゃうよ」とあれこれ逃げる方法を考えますが、その度におかあさんも、「漁師になってつかまえますよ」「木になって坊やを待っていますよ」と答えます。 まるで追いかけっこのような親子の掛け合いが楽しい一冊です。

ウサギの追いかけっこに大笑い!

子ウサギがあれこれ考えを巡らせて逃げる様子に、長男も「今度はどこ行くのかなあ?」と興味津々。

子ウサギとお母さんウサギの掛け合いは、追いかけっこしているようにテンポよく進むので、とても楽しい雰囲気になります。

長男が一番気に入ったシーンが、お母さんウサギが漁師になる所です。よく絵を見ると餌がニンジンで、大笑いしていました。毎回このページに来ると、「僕はドーナツがいいなあ。やっぱりチョコかなぁ」とあれこれ想像しています。

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そして、私が「もし、あなたがどこかに行っちゃったら、お母さんも探しに行くね」と言うと、「えー? 僕、どこにも逃げないから大丈夫だよ。ずっとお母さんとお家にいるよ」と言ってくれました。なんて可愛いことを言ってくれるのかと感激してしまいました。

そして最後には、「この木の中のお家いいな。あったかそうだね」と一言。子どもでも大人でも、全ての人が家庭に求めているのは、きっとこういう温かさなのでしょうね。

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メリハリの効いた会話と、リズムを楽しもう

マーガレットの作品がこんなにも愛されている理由は、彼女の文章へのこだわりが関係しているかもしれません。

実は彼女、物語の中にわざと難しい言葉を入れるようにしていました。本書では、trapeze(空中ブランコ)やtightrope(つな渡り)などが該当するでしょう。子どもたちは馴染みのない言葉に戸惑いますが、作品にメリハリ出て、一生懸命に理解しようと耳を傾けるのだそうです。

更に、マーガレットは読んだ時のリズムを大切にしていました。例えば、二羽の会話を見ると、同じ形で繰り返されているのがわかります。

原文
“If you run after me,” said the little bunny,I will become a fish in a trout stream and I will swim away from you.”

日本語訳
「もしお母さんが追いかけてきたら、ぼくは魚になって逃げちゃうよ。」と子ウサギは言いました。

 

原文
“ If you become a fish in a trout stream,” said his mother,I will become a fisherman and I will fish for you.”

日本語訳
「もし坊やが魚になって逃げるのなら、お母さんは漁師になって釣り上げますよ。」とお母さんウサギは言いました。

このようにする事で、会話がリズミカルに流れ躍動感が生まれるのです。読み聞かせでは、上記2点を意識すると物語がもっと生き生きしてきますよ。

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マーガレット・ワイズ・ブラウンについて

作者のマーガレット・ワイズ・ブラウンは1910年に、アメリカのニューヨークで生まれました。 

マーガレットは編集者として働きながら創作活動を始め、亡くなるまでに100冊以上の作品を発表しました。そして、本書『The Runaway Bunny』や『Goodnight Moon』( 『おやすみなさいおつきさま』,評論社刊)など、何冊もベストセラーを送り出しています。

マーガレットは、「子どもの心を理解するのが巧みな作家」と評されていますが、本書を読むとそれがよくわかります。

子ウサギは成長とともに好奇心が芽生え、外の世界へ飛び出してみたくてたまりません。更に、お母さんを困らせてやろうというイタズラ心もあります。しかしその一方で、結局は優しいお母さんの元に帰るのが一番という子どもの心情をリアルに汲み取っています。

冒険心や自立心と、母に甘えたい気持ち。その相反する幼心を上手く作品に取り込み、子どもたちの共感を得たからこそ、出版から半世紀以上たった今でも版を重ね続けているのかもしれません。

 

『The Runaway Bunny』は、祖父母から孫へと、3世代で読み継がれてきたベストセラーです。それも、いたずらな子ウサギとお母さんウサギの楽しい掛け合いの中に、親子の深い絆がきちんと感じられるからでしょうね。皆さんも、是非この親子の会話を楽しんでみてくださいね。

プロフィール

MKN Nakajima

ライター:MKN Nakajima

1歳と3歳の男の子のママです。
学生時代から英語が好きで、語学研修や海外文通などを通して英語に親しんできました。
私が英語を学んで強く感じたのは、「英語が自分の世界を広げてくれた」ということです。
子どもたちには、英語絵本を通して様々な価値観に触れ、多様性に満ちた社会を理解する力を培って欲しいと思っています。

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