純真な子ども時代に読んでおくべき『The Three Robbers』

海外絵本・英語絵本におすすめのthe-three-robbers
ライター:ブルア

ギラッと光る大きな目。 青と黒のコントラストで描かれたなんだかコワーイ雰囲気の三人ぐみ。 この印象的な表紙を覚えている人も多いでしょう。

『The Three Robbers』は、直訳すれば“三人のどろぼう”。

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日本では、1969年に発行されて以来、40年以上にわたり子どもたちに愛されてきた絵本です。 児童文学者でもある今江祥智さんが訳した『すてきな三にんぐみ』(偕成社社刊」という日本語タイトルも有名ですよね。

あらすじ

 

むかしむかし、おそろしい三人のどろぼうがいました。
どろぼうは、黒いマントに黒い帽子すがた。
馬車を襲っては、宝石や時計を盗んで隠れ家に隠していました。
ある日、いつもの通り馬車を止めると、そこには小さな女の子ティファニーちゃんが乗っていました。
盗むものが何もないので、どろぼうたちは、ティファニーちゃんを大事にかかえ、隠れ家へ。
温かいベッドに彼女を寝かしつけました。
目覚めたティファニーちゃんに、盗んだ宝石の使いみちを聞かれたどろぼうたち。
みなしごをたくさんあつめ、みんなで住めるお城を買うことを決めました。  

絵本は道徳的観念を求めるだけのものではない

 

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この物語の主人公の三人は、簡単に言ってしまうと、“どろぼう”で“人さらい”です。

大人になってからこの絵本を読み返し、「どろぼうして稼いだお金を良いことに使う」という部分に疑問を持つご両親もいるかもしれません。

そういう道徳的観念を持ち込むと、この絵本『The Three Robbers』の世界観はすべて崩れてしまいます。

すべての絵本に教訓や道徳性を求める必要はありません。

無理やりにこじつけようとすれば、「悪者が会心する」とか「善行をすればハッピーエンドが訪れる」といったような解釈ができるかもしれません。 子どもたちが、この絵本を読んで自然とそう感じるのなら、それでも良いのですが、大人が無理に道徳的感想の方へ導いていく必要はないと思います。

また、すべての本に感想を求める必要もないと思います。 読んだら読みっぱなしにして、子どもたちが「また読みたい」と思ったら再び読めばいいのです。 そうしているうちに、作品への理解も、おのずと深まっていきます。

実際に、6歳になる姪は、この絵本を、「どろぼうがこわいけどおもしろい」と評し、何度も読み返しています。 たとえ理論的でなくても、子どもたちが感じたそのままが、真実の感想なのです。

子どもの反応を感じながら、テンポよく読んでみよう

 

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『The Three Robbers』は、テンポの良い文章でつづられていて、読むことの面白さを感じさせるものがたりです。おとぎ話のような雰囲気も魅力で、英文でも非常に音読しやすい文章になっています。 実際に読み聞かせをしてみると、「冒頭の部分は、もっと声を低くしてみよう」などと、演出方法まで頭に浮かんできます。

自分の子どもだけにではなく、朗読会などで披露するにもピッタリの作品です。 「コワーイ」なんて子どもたちが叫んだら朗読会は大成功です。 子どもたちの反応を感じながら、楽しく読んでみてください。

絵本の冒頭に登場する“Once upon a time”(昔、あるときに)というフレーズは、グリムやアンデルセンなどの童話で良く使われている物語のはじまりを示す定番の言葉です。 日本で言うところの、「むかしむかしあるところに……」というフレーズに相当します。

ちなみに、外国のおとぎ話は、ハッピーエンディングの場合このように終わることが多いです。 “…… and they lived happily ever after.”(そして、2人はいつまでも幸せにくらしました)覚えておくと、英語の読み聞かせに役に立ちますよ。

ブラックユーモアと皮肉が魅力のウンゲラー

 

作者のトミー・ウンゲラー(アンゲラーとも表示される)は、1931年、フランスのストラスブールで生まれました。 1956年にアメリカに渡り、絵本を出版する傍ら、イラストレーターやデザイナー、風刺画家としても活躍しています。

絵本を含める彼の作品の根底には、ブラックユーモアと皮肉が込められていて、独特の世界観を感じる作風が、大人も子どもも惹きつける要因でしょう。 1998年には、国際アンデルセン賞の画家賞を受賞しました。

『The Three Robbers』(『すてきな三にんぐみ』,偕成社社刊)の他にも、『Le géant de Zeralda』(『ゼラルダと人喰い鬼 』,評論社社刊)、『Crictor 』(『へびのクリクター 』,文化出版局社刊)、『The Mellops Strike Oil 』(『メロップスのわくわく大冒険 』評論社社刊)など、多くの絵本と児童書を出版しています。  

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今回『The Three Robbers』を読み、6才の姪と同じ感想を、子どもの頃、私も感じていたことを思い出しました。 この絵本を何度も読んでいたはずなのに、実は、内容をすっかり忘れていたのです。 「こんなストーリーだったのか」と驚き、この絵本の良さを再認識するという体験をしました。

大人になってから読むと、本の印象が変わるという衝撃を、この絵本を通して姪にも体験して欲しいなぁと思っています。 それまで、何度も「読んで」と、この本を持ってくると思いますが、真摯に楽しく読み聞かせたいと思っています。

 

プロフィール

ブルア

ライター:ブルア

絵本大好きライター。学生時代に英検2級を取得。
日本語と英語両方の出版がある絵本は、なるべく両方読むようにして英語の勉強を続けています。最近の図書館には、英語版も置いてあるので、とても助かります。
6歳と1歳になる女の子の叔母です。読み聞かせをする本は、なるべく文章が少なく、絵が楽しいものを選んでいます。楽しく英語を学んだ記憶は、子供たちの中に確実に残っていくと考えています。

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