
週一回の英語教室に通い始めた小学一年生の姪に、教室の感想を聞いてみると……「難しくてつまらない」という正直な印象を教えてくれました。なかなか苦戦している様子です。
このまま英語をつまらない勉強と捉えて敬遠してほしくないので、もう一度英語に興味を持ってもらえるような楽しい絵本を探そうと思いました。選んだのは「ミッフィー」シリーズの絵本。
「子どもが大好きなキャラクターの絵本はどうだろう?」という安直な発想でチョイスしたのですが、思っていた以上に姪の好奇心とやる気を刺激する絵本となってくれました。
50カ国以上に翻訳され、世界で8500万部以上も発行された名作絵本の力は、やはりあなどれません!
「ミッフィー」シリーズは、作者ディック・ブルーナ独特のカラフルな色彩が目に飛び込む楽しそうな本ばかり。どのタイトルを選ぶのか決めきれず、数冊用意してみました。その中でも、姪が特別に気に入ったのは『miffy’s birthday』(『うさこちゃんのたんじょうび』,福音館書店社刊)です。
お誕生日に、お気に入りのワンピースを着るmiffy。
パパとママ、お友達、そしておじいさんとおばあさんにお祝いをしてもらい、プレゼントをもらうというお誕生日の一日を描いたストーリーです。
まず、miffyの花柄のワンピース姿がかわいい表紙を気に入っている様子でした。
シンプルで洗練されているデザイン性の高いミッフィーのイラストは、さすがに子どもの心を惹きつけます。
そして表紙の絵を見ながら、「ミッフィーの絵はみんな正面を向いているんだよ」と、テレビで知ったという知識を教えてくれました。
ディック・ブルーナの著書『ブルーナミュージアム―ミッフィーのすべてがわかる』(白泉社社刊)の中での作者の言葉によると、子どもたちに対してストレートで正直であり続けるために、キャラクターの顔はいつも正面を向いて読者を真っすぐに見ているのだとか。(出典:日本のミッフィー情報サイトブログより)
ミッフィーのトリビアを知っていたことを褒めたあとに、本当に全部正面を向いているのか絵本のすべてのページをチェックしてみることに。姪は、丁寧に一ページずつめくり、楽しそうにミッフィーのイラストを確かめ、「本当に全部正面を向いているね!」と、検証結果を喜んでしました。
子どもの好奇心のスイッチを見つけたら、一緒に楽しみながらプッシュしてみると、やる気を引き出すことにもなるのですね。
姪とは、彼女が5才の時から一緒に英語絵本を楽しんで読んできたのですが、英語絵本を読み聞かせするときは、いつも絵本の英語版と日本語版を両方用意しています。今回は、日本語版の『うさこちゃんのたんじょうび』と、英語版『miffy’s birthday』の大きさが違うので、絵本を両方同時に開きやすかったです。
姪は、以前にも、日本語を読みながら英語版を指で追うという読み方をやってみせてくれたことがあります。
(「英語の面白さを教えてくれて日本の絵本『空色のたね』と朗読CD」)
今回は、それ以上のことに自主的に挑戦していました。日本語の文章を読んだ後に英文を見て、アルファベットを読んでいくという読み方です。例えば、Miffyがくまのぬいぐるみをプレゼントとしてもらう場面の原文です。
姪の日本語朗読
「bearでした。ぬいぐるみのbearでした。とてもかわいい やわらかいbear。あたし きょうから bearさんとねる と うさこちゃんは いいました。」
原文
“A bear, a real woolen bear so sweet and soft, she said. Tonight I really want to take him up with me to bed.”姪の英語朗読
「エービーイー エーイーエー オーイー……」
英文を単語では読めないので、ABCに分解して読んでいました。もちろんまだ覚えきっていないので、読めないものは飛ばして、知っているアルファベットだけを読むのです。一つずつ「エービー」と読むには時間がかかりますが、すべてのページの読めるアルファベットを読み続けたので感心してしまいました。
「英語教室がつまらない」と言いながらも、アルファベットに分解して読めるくらいに勉強の成果がちゃんと現れてきていました。本人もABCが意外と読めることに驚いて、うれしそうでした。そして、日本語版と英語版の絵本を、同時に読むことは楽しいと言ってくれました!
ミッフィーの作者ディック・ブルーナさんは、1927年オランダ生まれのデザイナー、絵本作家です。2017年2月に89才で亡くなるまで「ミッフィー」シリーズの絵本を出版し続けてきました。
『Miffy』(『ちいさなうさこちゃん』,福音館書店社刊)
『Miffy at the Zoo』(『うさこちゃんとどうぶつえん』,福音館書店社刊)
『Miffy Goes Flying』(『うさこちゃんひこうきにのる』,福音館書店社刊)
子どもたちを見守る作者のあたたかい目線を感じさせる愛すべきキャラクター「ミッフィー」シリーズの絵本。動物園に行ったり、パパと飛行機にのったり、お庭でニンジンを育てたり、子どもの好奇心をくすぐる出来事を楽しく描いているので、どの作品を読んでも子供たちは夢中になってしまうでしょう。
0才児から子どもといっしょに楽しめる絵本ですが、英語版を買っておくと、大きくなってからも英語の勉強教材として重宝することになると思います。
英語の文章としては、中学3年生くらいのレベルがあるので、大人でもなかなか侮れない難しさです。
100冊以上出版されている「ミッフィーシリーズ」を使って、子どもと一緒に一冊ずつ読み進めて英語を勉強していくというのも、やりがいのあるチャレンジになりそうです。
ライター:ブルア
絵本大好きライター。学生時代に英検2級を取得。
日本語と英語両方の出版がある絵本は、なるべく両方読むようにして英語の勉強を続けています。最近の図書館には、英語版も置いてあるので、とても助かります。
6歳と1歳になる女の子の叔母です。読み聞かせをする本は、なるべく文章が少なく、絵が楽しいものを選んでいます。楽しく英語を学んだ記憶は、子供たちの中に確実に残っていくと考えています。
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