
「食育」とは何でしょうか。ヘルシーな食事を作ること? それとも、品数の多さでしょうか? 2005年に食育基本法が施行されて以来、食育という言葉は私たちの生活にすっかり定着しました。しかし、どれだけ本当の意味を理解する人がいるでしょうか。
その答えを知りたい方におすすめなのが、この本です。絵本を通して、食べる事の意味をちょっと考えてみませんか?
絵本のお話は、「野菜スープを育てよう」というパパの一声で野菜作りが始まりました。まずはショベルを用意します。種を蒔いて水をかけたら、お日様の力を借りて、大きくなるのを待ちましょう。草むしりも忘れずに。
そして、待ちに待った収穫です! トウモロコシにキャベツ、ジャガイモ、ニンジン……色とりどりの野菜が採れました! きれいに洗って刻んで、お鍋でコトコト煮たら、野菜スープのでき上がり!
私たちの食卓に上がるまで、食べ物がどのような過程を経ているか、大人でさえ正確に説明できる人は少ないのでないでしょうか。本書では、農具の用意から始まり、種まき、水やり、草むしり、収穫、調理と、スープを食べるまでの過程がすべて描かれています。野菜作りの楽しさを体感できるのはもちろん、「食べ物を作るって、こんなに大変なんだ」と、食べ物への感謝が自然と芽生えてくる素敵な一冊です。
最初にこの本を手に取ったとき、絵の迫力に驚きました。ビビットな色使いと力強い構図は、書棚でも群を抜いて目立っていました。
息子もそこに惹かれたようで、「tomatoはredね」「葉っぱはgreenね」と、色を確認していました。
また、種を蒔くシーンでは、「トウモロコシの種は、トウモロコシなんだね!」と心底驚いていました。植物が育つ過程が写実的な絵で表現されているので、科学教育という観点からも優れた教材になると感心しました。
さらに素晴らしいのは、すべての挿絵に単語が添えられているところです。例えば、土はsoil、太陽はsunとなっているので、単語力アップに役立ちます。1ページあたりの単語数も少ないので、英語学習の入門に最適です。
ロイス・エラートの作品の特徴は、鮮やかな色使いとコラージュにあります。その斬新で大胆な作風は、デビュー以来、子供たちの心をつかんで離しません。エラートは、「インスピレーションの源は故郷、アメリカのミルウォーキーにある」と述べています。木工職人の父と裁縫職人の母を持つ彼女は、「家では、誰かが何かしら物作りしていた」と幼少期を回想します。木や布が身近にあった彼女にとって、物作りはごく自然な営みでした。
故郷の自然環境も作品に影響しました。ミルウォーキーは冬はマイナス20度にもなる極寒の地です。しかし、長い「灰色の冬」があったからこそ、鮮やかな色を使う喜びがあったと彼女は語ります。
エラートの春を待ちわびる想いに触発され、私も寒い日に屋内のアクティビティとして長男とコラージュを作ってみました!
今日では、24時間営業のスーパーや自動販売機があり、食べ物はいつでも簡単に手に入ります。しかし、便利さは時に、食べ物を作る人や調理する人への感謝、食べ物へのありがたみを希薄にしてしまっているのではないでしょうか。
この本を読むことによって、現代社会において忘れがちな、「命を慈しむ優しさ」を子供たちの心に育めたら素敵ですね。
ライター:MKN Nakajima
1歳と3歳の男の子のママです。
学生時代から英語が好きで、語学研修や海外文通などを通して英語に親しんできました。
私が英語を学んで強く感じたのは、「英語が自分の世界を広げてくれた」ということです。
子どもたちには、英語絵本を通して様々な価値観に触れ、多様性に満ちた社会を理解する力を培って欲しいと思っています。
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