幼児の日常をほのぼのと描くドイツの定番絵本

海外絵本・英語絵本におすすめの『Bobo Siebenschlaefer』

ヤマメという動物を知っていますか? 森の中に住むリスに似た動物で、なんと7か月以上も冬眠をするそうです(だからドイツ語でSieben「七つ」Schläfer「眠る人」というのです)。

この物語『Bobo Siebenschläfer』の主人公ボボはヤマネの男の子で、もうすぐ2才になります。やさしいお父さん、お母さんといっしょに暮らしています。

お父さんはボボといっしょに積み木で遊んだり、絵本を読んでくれます。お母さんとボボはいつもいっしょで、買い物や公園に行ったり、病気のときは看病してもらいます。お休みの日はみんなでいっしょに動物園に出かけ、暑い日は庭で水遊びやピクニックもします。

収録されている7編のお話しの中には、幼い子を持つ家族の日常がリアルに、またユーモラスに描かれていて、ほのぼのとした気持ちになります。

 

ドイツの典型的な、幼い子のいる家庭の日常生活

『Bobo Siebenschläfer』に描かれているのは、ドイツの典型的な、幼い子のいる家庭の日常生活です。

「お家で」「買い物で」「動物園で」「公園で」「病気」「水遊び」「誕生日」といったテーマを扱い、たいていは見開き4コマで絵が描かれ、それぞれの絵の下に一行程度、文が書かれています。だからドイツ語初心者でもとっつきやすい絵本です。

海外絵本・英語絵本におすすめの『Bobo Siebenschlaefer』

イラストも一見するとシンプルというか、雑なような絵なのですが、見れば見るほど味があります。

1編16ページの短い話には、小さい子の日常がすごくリアルに描かれていて、登場人物の気持ちも手に取るようにわかります。

例えばお肉屋さんに行って、ボボはおまけでハムをもらうのですが(ドイツでは、小さい子とお買い物に行くと、お店の人がいつもおまけをくれます)、お母さんが「ありがとうは?」とボボに促しても、ボボは食べるだけで何も言いません。それでもお店の人が、「いいよ」と言ってくれるシーンなど、私もこんな経験あるなあ、と思いました。

公園ではあれもやりたい、これもやりたい、と言いながらすぐに飽きたり、お母さんが「帰る時間よ」と言うと泣いて、でも「じゃあ、ママひとりで先に帰るわ」と言うと、やっぱりついてきたり。その時々のイラストの表情も、とてもいいのです。

Siebenschläferは、Sieben「七つ」とSchläfer「眠る人」が合わさった言葉ですが、この本では7編すべてのお話しの最後でボボが眠ってしまう、という落ちもあります。

物語がのんびりと展開して、最後にはボボが眠ってしまうので、寝る前の読み聞かせにぴったり! うちでも毎日2~3編を、寝る前に読み聞かせていました。

海外絵本・英語絵本におすすめの『Bobo Siebenschlaefer』

ドイツの風物を遊びながら覚える

とにかく一つの絵に一文が基本なので、ドイツ語でも気軽にトライできるのがいいところ。多少わからない部分があっても、イラストと自分の子育て経験から想像できて、気持ちを入れて読みやすい本です。

また、子どもといっしょに楽しむ工夫が、随所に凝らされています。

例えば普通のページは見開きで4コマなのですが、それぞれのお話の冒頭は見開き一ページの大きな絵になっていて、そこから何かを探し出すクイズなっていたりします。

原文
“Hier wohnt die Familie Siebenschläfer.  Siehst du Bobo?”

日本語訳
「ここはボボのお家。ボボはどこかな?」

海外絵本・英語絵本におすすめの『Bobo Siebenschlaefer』

原文
“Mama und Papa und Bobo gehen in den Zoo.  Siehst du den Löwen?  Und da, den Elefanten?  Und die Giraffe?”

日本語訳
「ママとパパとボボは動物園に来ました。ライオンはどこ?ゾウは?キリンは?」

海外絵本・英語絵本におすすめの『Bobo Siebenschlaefer』

うちの子たちも絵を見て一生懸命探していました。

それから、スーパーやパン屋でボボたちが買うものが、とてもドイツぽくって、見ていて楽しいです。「Topfkuchen(パウンドケーキ)はどこかな? Brot(パン)はどこかな?」と当てさせて遊ばせることができます。

海外絵本・英語絵本におすすめの『Bobo Siebenschlaefer』

ドイツの隠れたロングセラー

ドイツには優れた名作絵本がたくさんありますが、このボボのお話は、私もドイツに来るまでまったく知りませんでした。
たまたま入った近所のベビーグループで、子供たちの誕生日に小さなプレゼントをし合う習慣があり、その時に選ばれたプレゼントの一つがこの本でした。

「Boboいいよね!」「うちにもある!」というような会話がドイツのお母さんたちの間で交わされていて、ペーパーバックだし、2色ずりで地味だし、絵もラフなので、どこがいいのかな? と思いつつも、そんなにみんなに人気があるなら、と私もうちの子用に買ってみました。

家で読み聞かせてあげたら、子どもが喜ぶこと、喜ぶこと! いっしょに読むうちに私もどんどんファンになって、ドイツの読み聞かせ絵本を紹介するならまずこの絵本、と思うようになりました。

ドイツ人家庭で小さい子のいるお家なら、ほぼみんなこの本を持っているのではないかと思います。1984年初版なので、すでにロングセラーと言えるでしょう。ペーパーバックで地味なせいか、平積みになっていることは少ないですが、棚の上の方にどっさりあったりします。

続編として、『Bobo Siebenschläfer macht munter weiter』と『Bobo Siebenschläfer ist wieder da』があります。

かわいらしいボボが活躍するこの絵本、派手さはありませんが、お子さんとの読み聞かせの時間が楽しくなること請け合いです。

ドイツにお子さんを連れて滞在する機会のある方、また、日本にいてもドイツの小さい子の日常をリアルに楽しく知りたい方に、ぜひおすすめしたい一冊です!

プロフィール

brezel

ライター:brezel

ドイツに暮らして、はや十数年。ドイツ人の夫と、一男一女といっしょに、古城街道にある小さな村でのんびりとしたドイツ生活を送っています。
子供のときから大の本好きで、絵本や児童書の翻訳家になるため、ただいま勉強中。子供のために本を選びながら、いい本との出会いを楽しんでいます!

おすすめコンテンツ おすすめコンテンツ
なぜ幼児期に海外絵本と触れ合ったほうがいいのか
おすすめキーワード
人気記事ランキング

がまくんとかえるくん『ふたりはともだち』に感じる友情の大切さ

最近ではキャラクターグッズも大人気の、アーノルド・ローベル作「Frog and Toad(がまくんと...

LINEで送る

シェア

ツイート

頼れる無料「英語絵本読み聞かせアプリ」はこれ! 英語がうまく読めないママも安心!

子どもに英語で絵本を読んであげたいけど、発音に自信がないと悩んでいるママ必見! ネイディブの発音を聴...

LINEで送る

シェア

ツイート

絵本好き必見! トークが楽しくなるLINEスタンプ10選

みなさんは普段LINEを使いますか? LINEといえば、トーク中に押すLINEスタンプはマストアイテ...

LINEで送る

シェア

ツイート

エリック・カールの代表作『はらぺこあおむし』を英語で読もう!

世界中で大人気のカラフルな絵本『はらぺこあおむし』(偕成社社刊)は、エリック・カールの代表作といって...

LINEで送る

シェア

ツイート

【取材】幼児教育「レッジョ・エミリア アプローチ」で子供たちの創造性を育む!

みなさんは、アメリカのディズニーやグーグル本社の附属幼稚園にも取り入れられていて、世界だけではなく、...

LINEで送る

シェア

ツイート

がまくんとかえるくん『ふたりはともだち』に感じる友情の大切さ

最近ではキャラクターグッズも大人気の、アーノルド・ローベル作「Frog and Toad(がまくんと...

頼れる無料「英語絵本読み聞かせアプリ」はこれ! 英語がうまく読めないママも安心!

子どもに英語で絵本を読んであげたいけど、発音に自信がないと悩んでいるママ必見! ネイディブの発音を聴...

絵本好き必見! トークが楽しくなるLINEスタンプ10選

みなさんは普段LINEを使いますか? LINEといえば、トーク中に押すLINEスタンプはマストアイテ...

エリック・カールの代表作『はらぺこあおむし』を英語で読もう!

世界中で大人気のカラフルな絵本『はらぺこあおむし』(偕成社社刊)は、エリック・カールの代表作といって...

【取材】幼児教育「レッジョ・エミリア アプローチ」で子供たちの創造性を育む!

みなさんは、アメリカのディズニーやグーグル本社の附属幼稚園にも取り入れられていて、世界だけではなく、...

おはなしの部屋
おはなしの部屋

読み聞かせ、手遊びなどの動画を集めました。