寝る前に読んであげたい絵本。「おやすみなさい、かみさま」

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宗教にこだわりの少ない日本人は、普段から「神に感謝する」ということが日課にありません。この本は、「イエス・キリスト」に感謝を込めて、おやすみなさい、ありがとう、という意味を込めています。この絵本を読んで、日本人にも「感謝の気持ち」が日常に芽生えたらいいですね。

絵本のストーリーはとてもシンプル。

最初に出てくる英文は、“Bless this milk and bless this bread.”「感謝、祝福=Bless」です。

小さな女の子が、ミルクを手に、パンを食べようとしています。でも、まだ口にしてはいません。キリスト教では、何か口にする前に神様に「感謝の意」を述べてお祈りをするのですね。この少女も、「ありがとうございます! このミルクも、このパンも」とただ見つめ、「感謝」の気持ちを表しています。

少女はここからさらにいろいろなものに「感謝」していきます。いつも自分の身をあたたかく包んで守ってくれるベッド、お布団。夜空の星を眺めては「ゆっくりおやすみ」とささやいてくれる星に感謝をします。人形にも、おもちゃにも、いつも一緒に出掛けてくれる靴にも。靴に感謝する? なんて、日本では想像もつかないことですね。

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お家の中を見回せばお気に入りのチェアーに。暖炉の暖かさ。電燈の光にも。そして大好きなお母さんにも。

お母さんはいつもお手伝いをしてくれます。髪の毛を結ってくれたり、パジャマのボタンをはめてくれたり。このページの絵はなんだか暖かくて、ほっこりしますね。

家族や、飼っているペット、お友達にも、小鳥にも感謝をします。何よりも一番大切な、お父さんとお母さんに。そして、みんなを守ってくださいと書かれています。

そう。自分の身の回りのものだけでなく、少女はみんなを思い大切にしたいと願うのです。祈りをささげながら、行く末には世界中の子どもたちが、元気で、幸せで、暮らせますようにと祈っています。

そして、「アーメン」。キリスト様へ、祈りを捧げます。

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娘が引き込まれていた世界の子どもたちのシーン

小学校低学年の娘にこの絵本を最初に見せたとき、一番時間をかけて長々と見つめていたのが、最後の「世界の子どもたち」が描かれたページでした。

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今までに見た、会ったことのない、いろんな民族の子どもたちの顔がそこには描かれています。いろんな「顔」があって、とても興味深かったようです。

寒い国で生活しているのであろう、ふかふかの帽子をかぶった子ども。白人や黄色人だけでなく、黒人もいます。中には小さな赤ちゃんをおんぶしている子どもも……。

彼らの表情はとても豊かです。笑っている子、目をつぶっている子。ただじっと見つめている子。誰かを見ている子。世界にはこれだけの民族や人種がいるのだと知ることができます。

同時に、それぞれ、いろいろな事情を抱えているだろうことも想像できます。赤ちゃんをおんぶしている子は、赤ちゃんを見てくれる母親がいないのかもしれません。ベールをかぶった子は、何か強い信念と信仰を持っているのかもしれません。

こうして世界中の子どもたちが、なんの種別や差別なく、平和で、豊かで、仲良くし合えればいいのに。我が子ももしかしたらそんな風に感じていたのかもしれません。

「感謝する」という習慣のない日本

日本では、宗教は自由とされています。

もちろん中にはクリスチャンの方もいますし、それ以外の宗教の方もいらっしゃるでしょうが、多くは「無宗教」と呼ばれる人たちなのではないかと思います。

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「いただきます」の本当の意味は、「ありがたく頂戴いたします」という意味があるのをご存じですか?

冒頭に出てくるミルクであれば、「乳を搾ってミルクをくれた牛に感謝」するということ。パンだって小麦粉や卵がなければ作れませんし、お肉だってその動物がいなければ食べられません。

ちょっと真面目な話になりますが、そういった動物や、作ってくれた人に感謝の意を込めて「いただきます」というのですね。

しかし、日本人でこの意味を込めて「いただきます」と言っている人は少ないのではないでしょうか。

私もこの意味を最近知りまして、改めて、「感謝する気持ちを忘れていけない」ことを実感しております。そして子どもにも、伝えていかなければならないなと思います。

普段から「感謝する」という習慣のない日本です。「ありがとう」という言葉の意味を改めて、考えたいものです。

また、日本は戦争もなく、平和で豊かです。世界から見たら、これほど豊かに暮らしている私たちをできない人々も多いでしょう。この絵本のストーリーそのものはいたってシンプルで、「ありがとう」と伝えている少女が描かれているだけですが、その中にはもっと奥深い、壮大な思いが描かれている気がします。

原書のタイトルは、『Prayer for a Child』。直訳すると「子どものための祈り」です。日本語版のタイトルは「おやすみかみさま」と意訳されていますが、「Prayer=祈り」という言葉の中に、私は世界の人々への平和の意も込められているのではないかと思います。

我が子にもこの本を読ませて、自分だけでなく、まわりの人や物を大切に思う気持ちも、一緒に伝えてあげられたらいいな、と思います。

プロフィール

miraipianoroom

ライター:miraipianoroom

3年生と2年生の娘がいます。特に下の子は絵本大好きで、「やけに静かだなぁ……」と思って見てみると、黙々と絵本を読んでいることが多々あります。
普段は音楽を仕事にしており、小さな子供たちのサークルで絵本を読み聞かせるほか、絵本に合わせた即興演奏を届ける活動をしています。英語は苦手なのですが、英語の持つ独特なニュアンスを、日本語を駆使して素敵に訳せるよう頑張っています!

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