
「サンタなんかいないよ」と友だちは言うけれど、そんなことは絶対にない。サンタの存在を信じていた僕の眼の前に、クリスマスイブの晩、大きくて真っ黒な蒸気機関車が現れた。その機関車の名前は、The Polar Express(急行北極号)。The Polar Expressは、僕とサンタの存在を信じている子どもたちを乗せて走り出した。目的地は、サンタの住む北極の町! オオカミのうろつく森を抜け、荒野を渡り、白銀の世界を猛スピードで駆け抜ける。
さあ、冒険の始まりだ!
このお話を読むと、子どもも大人も心が弾みます。幻想的なストーリーと挿絵が織りなす、第一級のファンタジーが楽しめますよ。
コルデコット賞を受賞し、2004年には映画化(『The Polar Express』,監督はロバート・ゼメキス)もされた本書は、大人から子どもまで世界中で支持されているベストセラーです。内容の素晴らしさはもちろん、挿絵が美しくロマンチックな事から、クリスマスプレゼントとしても人気です。
この本を電車好きの3才の長男に見せると、画面いっぱいに描かれた蒸気機関車に釘付けです。そして、「僕のお家にも、夜になったら機関車が来るのかなあ? 窓の所で待っていたらいいかなあ?」と、ファンタジーの世界のトリコになっている様子。
また、1才になったばかりの次男も、表紙を見た途端「カカンココン」と電車のまねを始めました。兄弟一緒のお気に入りの本が初めてできて、親にとっても大切な一冊となりました。
この絵本には独特の雰囲気があり、幻想的で不思議な空気に包まれています。読めばきっと、「本当に機関車が迎えに来て、北極に連れて行ってくれるのでは」と思うはず。長い冬の夜、夢と現実の間にいるような、まさに魔法にかかったようなひと時をお子さんと過ごせたら素敵ですね。
この絵本の中には、サンタを手伝う妖精が出てきます。この赤い帽子の妖精たちは、スェーデンではトムテ、フィンランドではトントゥと呼ばれ、昔から北欧の人たちに大切にされてきました。
彼らは目に見えませんが、いつも私たちの近くにいます。そして、誰がいい子で誰がいたずらか、サンタに報告しているのです。早寝早起きをして、きちんと歯を磨く良い子には素敵なプレゼントがありますが、いたずらっ子はもらえません。ですから、いたずらっ子は今から頑張りましょうね!
そして、クリスマスが来たら、部屋の隅や屋根裏部屋に甘いミルク粥を置いておいてください。北欧の人たちは、大忙しで腹ペコの妖精たちのために、一年の感謝を込めて、彼らの好物を用意するのです。そうやって妖精たちを大切にする家には幸せが訪れ、忘れるとイタズラをされてしまうそうです。
世界中の人が心待ちにしているクリスマスですが、楽しみ方やお祝いの仕方も国によって様々です。今年は是非、北欧の文化を感じながら楽しんでみてはいかがでしょうか。
作者クリス・ヴァン・オールズバーグは、1949年にアメリカのミシガン州に生まれました。
幼少の頃から絵が好きなオールズバーグでしたが、1950年代当時、「男はスポーツをするべき」という保守的な雰囲気があったため、なかなか思うように創作する機会に恵まれませんでした。
しかし、どうしても大学で美術を学びたかった彼は、思い切った行動に出ます。進路を決める面接で、「高校で美術の授業を取っていなかったのは、物足りなかったからです。より高度な個人指導を、毎週土曜に受けていました。私には才能があります! 」と大嘘をついたのです。そして見事に合格。ミシガン大学で彫刻を学ぶことになるのです。
この一風変わった人柄から想像できるように、彼の作品も個性的で、いつも遊び心と驚きに満ちています。それは挿絵にも反映されていて、一見普通の物でも、よく見ると「変わっている」と思わせる要素を加えるようにしているそうです。それが読者を惹きつける魅力になるとオールズバーグは語ります。
この本を読むと、大人になるとつい忘れがちな、純粋に何かを信じる心を思い出させてくれます。それは、作者自身が「サンタはいる」と公言し、信じ続けているからでしょう。この本を読んで、みなさんも夢と冒険に満ちた世界に飛び出してみてはいかがでしょうか。
ライター:MKN Nakajima
1歳と3歳の男の子のママです。
学生時代から英語が好きで、語学研修や海外文通などを通して英語に親しんできました。
私が英語を学んで強く感じたのは、「英語が自分の世界を広げてくれた」ということです。
子どもたちには、英語絵本を通して様々な価値観に触れ、多様性に満ちた社会を理解する力を培って欲しいと思っています。
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