子どものピュアなイマジネーションを育む! 英語絵本『りんごかもしれない』

海外絵本・英語絵本におすすめの『It Might Be an Apple』

「ぼく」が学校から帰ってくると、テーブルにりんごが一つ置いてあり……、そこから繰り広げられる「ぼく」の中の奇想天外なイマジネーション・ワールド! ひょっとしてこの「りんご」は○○かもしれない――と考えることで、たった一つのりんごにとんでもない可能性を秘めさせてしまう、子どもの持つ純粋な想像力。それを無限に広げ、遊び心をくすぐってくれる絵本です。

海外絵本・英語絵本におすすめの『It Might Be an Apple』

作者のヨシタケシンスケさんは、その可愛らしい絵と独特の不思議な着眼点が話題となっており、最新作『このあとどうしちゃおう』も書店に行けば平積みされている人気の絵本作家です。シールや付箋などのグッズまで販売されています!

まず日本語版の『りんごかもしれない』から読んだのですが、書店でこの英語版『It might be an Apple』を発見してすぐに購入しました。それだけこの絵本は息子のお気に入りになっていました。学校の読み聞かせの時に4年生のクラスで読んだ時には、息子だけでなく、みんなが目を輝かせて楽しんでくれました!

小学生の心をもわしづかみにするヨシタケシンスケさんの絵本は、一体何がそんなに魅力的なのでしょうか?

このりんご、どうなっちゃうの?mightの可能性

海外絵本・英語絵本におすすめの『It Might Be an Apple』

タイトルの『It might be an Apple』のmightは、「ひょっとすると~かもしれない」という現在・将来の可能性を示す推量の助動詞です。この一つのりんごをめぐる物語では、このmightが繰り返し使われます。

読み進めていくと自然に“It might be~”のフレーズが頭の中に響いてきます。特に日常会話によく使われる言い回しなので、覚えておいて損はありません!

りんごの中身がメカだったり、実は卵で何か生まれてきたり、水をあげたらどんどん大きくなって家に育ったり!想像は広がるばかり。 Mightとセットで覚えておきたい“If~, It might~”のフレーズもたくさん出てきます。

例えば、“It might have feelings…”(こころが あるのかもしれない。)のページでは、次の文章が並びます。

“If it’s sad, it might turn pale.”
(かなしくなるとしろくなるのかもしれない)

“If it’s angry, it might turn hard and pointy.”
(くやしいとカチカチになるのかもしれない)

“If I tickle it, it might giggle.”
(ココをさわるとくすぐったいのかもしれない)

繰り返し読んでいるとやはり自然と口をついて出てくるようになります。ついでに感情表現まで学べますね。

見ても読んでも楽しめる! 言葉と絵がリンク

海外絵本・英語絵本におすすめの『It Might Be an Apple』

この本の読み聞かせの特徴は、It mightのリズムに乗ることですが、もう一つの仕掛けは図鑑のようにディテールに凝った絵で楽しませてくれる点です。

“It might need a hat or a new hairstyle.”(じつはかみのけとか ぼうしがほしいのかもしれない)のページには、ズラッといろいろな髪型のりんごたちが! ロングがhippie(ヒッピー)で、おじさんがcomb-over(すだれ頭)になっていたり、英語訳も一味違っていて面白く工夫しています。

こうして原書と日本語版の両方を比較しながら読むと、断然食いつきが違います! 特に息子が繰り返し読んでほしがったページは、“It might have lots of family and friends.”(きょうだいはもっとたくさんいるのかもしれない)で、50音順にぎっしり並んだりんごの家族たち!

海外絵本・英語絵本におすすめの『It Might Be an Apple』

日本語版では「あんご・かんご・さんご・たんご……」と続くところが英語版では“Billy, Jilly, Frilly, Milly……”といった軽快なリズムで続きます。 しかも絵の様子から、フリルっぽい「さんご」がFrilly(フリル)と、しっかり言葉とリンクしています。こういう細部にこだわった楽しい仕掛けが、子どもの興味をグンと引き寄せるのですね!

あなたなら、どんなりんごを想像する?

「ぼく」の妄想力は留まるところを知らず、ついにはりんごたちは仲間を呼んでふるさとへ帰るのかもしれない……と続いていきます。一緒に読んでいる大人ですら、「あれ……? もしかしてこのりんごは本当に何なんだろう?」と思わせてくれます。当たり前の日常を疑うということも、この本の隠れたテーマなのかもしれません。

日本語版には特別企画として「みんなでかいてみたら、おもしろいかもしれない!」という応募用紙が入っています。子どもも大人も妄想力をたくましくして、一緒にいろいろな「りんご」を創造してみるのも楽しいかもしれませんね! 残念ながらわが息子は恥ずかしがって作品を公表させてくれませんでしたが……。

海外絵本・英語絵本におすすめの『It Might Be an Apple』

日々子どもと接していても忘れてしまう想像力と妄想力。ついつい「そんなことあるわけないでしょ?」と言ってしまうところを、ふとこの本を思い出して、「ひょっとしたら、そうかもしれないね!」と子どものピュアなイマジネーションをグングン伸ばしていけるとよいですね。

創造力は想像力から生まれます。これからも、もっと子どもの持つ無限の可能性を信じて、既成概念にとらわれることなく、さまざまなものを見せて聞かせていきたいと感じられた素敵な絵本でした。

プロフィール

suppy

ライター:suppy

9歳になる息子と今まで多言語学習と世界の絵本に親しんできたアラフォーママです。
いろいろな国の言葉に触れて世界に興味を持ってほしいと思い、こども図書館やおはなし会に通って、たくさんの絵本と出会いました!
子どもと一緒に英語の発音を改めて勉強するつもりで、今も英語絵本の読み聞かせをしています♪

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