言葉の面白さを単語遊びで体験できるアルファベット絵本

海外絵本・英語絵本におすすめの『Take AWAY the A』

1つの単語から一文字を取るだけで全然違う言葉になるという、とてもユニークな着想から作られたアルファベット絵本『Take AWAY the A』。著者はフランス・リヨンに住む絵本作家ミカエル・エスコフィエ、イラストはフランス在住のアメリカ人クリス・ディ・ジャコモです。

この絵本は「A」から「Z」までの26文字を、見開き2ページで一文字ずつ紹介しています。アルファベット一文字ずつに一文ずつダジャレのような言葉遊びが続き、次々とページをめくってしまいます。登場する動物たちのちょっととぼけた顔のイラストが一層面白さを加味していて、シンプルな構成ですが想像力をかき立てていきます。

アルファベットに初めて親しむ小さなお子さんから、学校で英語の授業を受け始めた小学生の高学年まで、単語と文章を使った言葉遊びを楽しめる絵本です。BEAST(野獣)が「A」を持って食べようとしている表紙も、怖いような可愛いような、目を引く印象的なイラストです。

ユニークな発想からアルファベットに親しもう!

海外絵本・英語絵本におすすめの『Take AWAY the A』

一番目「A」、次に「B」とアルファベット順に進みます。

原文
“Without the A
The BEAST is the BEST.”

日本語訳
「“A”を取ると野獣が一番」

野獣の“BEAST”から「A」を取ると“BEST”ですね。

原文
“the BRIDE goes for a RIDE.”

日本語訳
「花嫁はひと乗りしに」

“BRIDE”と「B」を取った“RIDE”を使って、1つの文章で異なる単語の意味を面白く説明しているのも特徴です。

BEASTからAを取ったら何になる? BRIDEからBを取ったらどうなる? と想像してみてから読むのも楽しいですね。単語二つをつないでいる動詞などからボキャブラリーも広がり、文章力もつくので一石二鳥です。

言葉遊びを発展させて、よく知っている単語同士でほかの文章を作ることもできます。絵本では、「K」のMonkeyとMoneyをつなぐ動詞としてmakeが使われていますが、別の文章を作るならどんな動詞があるかを考えてみましょう。

“the Monkey loves Money.”
“the Monkey pays Money.”

文章に合わせた絵を親子で描いても、もっと面白くなりそうですね。

文字1つ取るだけで広がる言葉の世界

海外絵本・英語絵本におすすめの『Take AWAY the A』

前項でも述べましたが、文字を1つ取っただけでまったく違う言葉になるという点を活かして、想像力をかき立ててみましょう。

原文
“Without the C, the CHAIR has HAIR.”

日本語訳
「Cを取ると、イスに毛が生える。」

イスの絵を手で隠しながら「Cを取ったら……イスに毛が生えた!」と日本語で言ってから絵を見せて英文を読んでみるのも面白いかもしれません。

ここでは“has HAIR”の部分を「毛が生えた」と訳しましたが、実はこの絵本はまだ日本語の翻訳版が出版されていません。自分なりに考えた訳を工夫して読み聞かせするのも勉強になりますし、何より楽しいものです。

さらに、自分でもほかの単語で作れないかと考えてみるのも良いですね。息子が広島東洋カープのファンなので、こんな言葉遊びも考えてみました!

“Without the R, the CARP gets a CAP.”

「Rを取ったら、鯉が帽子をかぶる」

どんどん言葉の世界が広がって興味がわき、自分でも言葉遊びを考えるようになったら、もっともっとこの本を楽しめると思います。

言葉遊びって楽しい! を原体験に

海外絵本・英語絵本におすすめの『Take AWAY the A』

書店でブラブラしている時にこの絵本を見つけ、絶対息子が気に入るだろうと意気揚々と一緒に読んでみました。ところが一気に全部読んだら「長すぎる」と言われ、あまり楽しくなさそうでした。それでも、「一文字違うだけで全然違う意味になるのがすごい」としっかり感想は言ってくれました。

その時にふと、息子が0才の時にディズニーで学ぶ英語教材を買ってからずっと、親のエゴで英語教育をしてしまっていたんだなと振り返ることができました。実を言うと、息子は歌も踊りも全然好きではなかったのです。

確かにこの絵本を読んでも、英語教材で覚えた単語はわかります。「F」のFarmは? と聞いてみると、「……わかってる。農場じゃろ」といった返答。つまりそれが楽しいかといったら、知っているけれど楽しくはないのだそうです。それなのに、今は学校で始まった英語の授業でこんなことをやったと楽しそうに話してくれます。学校ではいきなり難しいことはせずに、英語でじゃんけんをしたりするそうです。

英語で遊ぶことが楽しいということを、原体験として与えてあげれられなかったことを後悔しつつ、それでもそんな母のエゴに付き合ってくれている息子の優しさに感謝です。子どものためになるだろうと思い込み、良かれと思って押し付けてしまうことが多々あります。できればその子に合ったものを、良いタイミングで一緒に楽しみたいものです。

海外絵本・英語絵本におすすめの『Take AWAY the A』

さて、この絵本は最後もちろん「Z」で終わります。一体Zを取って意味を成す単語とは何でしょうか? ところが終わりは単語ではなく、こんな風に締めくくられています。

原文
“Without the Z, our alphabet cannot be said!”

日本語訳
「Zがないと、アルファベットが終われない!」

 

一文字取って知ることで鍛えられる単語力、取った言葉を文章につなげる想像力、そして新しい発見や違う言葉へと発展していくこともできるこの絵本は、3拍子そろったすばらしい英語教材だと思います。シャレもなかなか効いています。

もしお子さんが気に入ってくれたら、ぜひ一緒に「A」から「Z」まで、一文字ずつゆっくりと読んでみて楽しんでください。

プロフィール

suppy

ライター:suppy

9歳になる息子と今まで多言語学習と世界の絵本に親しんできたアラフォーママです。
いろいろな国の言葉に触れて世界に興味を持ってほしいと思い、こども図書館やおはなし会に通って、たくさんの絵本と出会いました!
子どもと一緒に英語の発音を改めて勉強するつもりで、今も英語絵本の読み聞かせをしています♪

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