シンプルな絵と文で、大切なことを教えてくれるドイツ語絵本

海外絵本におすすめの『ausrufezeichen』

自分って、何だろう? 自分は人と違っているみたいだけど、なんで違うんだろう? 他の人と同じようになりたい!

自分探しをテーマにした本は、大人の本のみならず、子ども向けの絵本でもよく見かけられます。

今回ご紹介する『Ausrufezeichen(びっくりマーク)』では、お友達のピリオド君たちと同じようになりたいけどなれなくて困っている、びっくりマーク君が主人公です。

明るい黄色の表紙が目を惹くこの絵本では、シンプルかつ表情豊かなイラストで、「自分て何だろう?」とう大きなテーマが、やさしく、ユーモアたっぷりに描かれています。

他人との違いを認めるところから、自分探しの旅が始まる

びっくりマーク君は、自分の姿が友達のピリオド君たちと少し違うということを悩んでいます。同じになろうと頑張ってみても、やっぱりみんなとは違うみたいです。

がっかりしたびっくりマーク君は、「もうどこかにいっちゃおうか」とまで思い悩むのですが(赤いチェックの風呂敷をぶらさげた旅姿がかわいい!)、そんなある日、見たことのない子がやってきます。

海外絵本におすすめの『ausrufezeichen』

「君、だれ?」「クラスどこ?」から始まって、その子はびっくりマーク君を質問攻めにします。そう、その子はFragezeichen(はてなマーク)君だったのです。

はてなマーク君の質問攻めにへきえきしたびっくりマーク君は、“ Stopp! ”(やめてぇ!)と叫びます。そして、そんな大声で感情を表現できた自分にびっくりします。

海外絵本におすすめの『ausrufezeichen』

それからびっくりマーク君は、おそるおそる、自分に何ができるか試してみます。“ Hallo! ”(やあ!)あたりから始まって、どんどん感情あふれる言葉を発していき、やっと自分らしさを発揮することができたびっくりマーク君。

見違えるほど生き生きした表情になり、新しい自分の姿を友達に見せに走っていくのです!

びっくりマーク君の表情をヒントに、感情をこめて読もう!

この絵本は見開きに対して文章が一文程度しかないので、外国語でも気軽に読み聞かせにトライできます。また、日常で使う感嘆詞がたくさん出てくるので、ぜひ覚えてみたいところです。

何と言っても、感情を表すびっくりマークの話ですから、びっくりマーク君のセリフは思い切り感情をこめて読むと、子どもも喜びます。

この絵本のイラストはとてもシンプルですが、びっくりマーク君はとても表情豊かに描かれているので、自分も同じような顔をしながら読むと、気分が出ると思います。また、文字の大きさや色、太さなども工夫されているので、その言葉の雰囲気を読み取るヒントになります。

海外絵本におすすめの『ausrufezeichen』

一番の聞かせどころは、見開きいっぱいにびっくりマーク君が飛び回るページです。

“ Das ist es ! ”(そうそう!)

“ Cool ! ”(いかしてる!)

“ Noch mal !  Noch mal! ”(もっと、もっと!)

“ Tschakka ! ”(やった!)

“Glückwunsch ! ”(おめでとう!)

“Buh! ”(えー!)

などなど、うちの子たちも大好きなページで、思いっきり感情をこめて読むと大喜び。12才の娘まで、「私にも読ませて」といっしょに読み始めました。

6才の息子は、まだアルファベットが全部読めないのですが、ここに出てくるセリフは短い単語なので、「これは読める!」と言って喜んでいました。

かわいくてユーモラスなイラストは、子どもも大好きなようです。

びっくりマーク君が他の子のようになりたくて、自分の頭の上の棒部分をつぶしたところがバネみたいになっているページや、自分が新しくできるようになったことを他の子に伝えに行くところで、あまりにも早く走って土ぼこりしか見えないページなど、いろいろな場面を面白がっていました。

黄金コンビによる、おしゃれかつメッセージ性の高い作品

この本の著者、エイミー・クラウス・ローゼンタールは1965年生まれのアメリカ人で、30冊以上の子ども向けの本を執筆しています。

日本語訳されているものには、『I Wish You More』(『おかあさんはね』、マイクロマガジン社)、『Spoon』(『スプーンくん 』、BL出版)、『Duck! Rabbit!』(『アヒルだってば!ウサギでしょ!』、サンマーク出版)などがあります。

イラストレーターのトム・リヒテンヘルドとは、本書の他にも前述の『おかあさんはね』や『アヒルだってば! ウサギでしょ!』を始め、多数の絵本でコンビを組んで、素晴らしい作品を生み出しています。

ローゼンタールのシンプルであたたかく、かつ心に残るお話に、リヒテンヘルドが主人公の魅力を生き生きと表現した、おしゃれでユーモアあふれるイラストを添え、まさに二人は黄金コンビと言えるでしょう。

『Ausrufezeichen』は、イラストがかわいく、文章も短いので、親子でいっしょに声を出して読み、楽しむことができる絵本です。自分のアイデンティティ探しという大きなテーマを、ユーモアとやさしさを持って描いているので、小さい子から大人まで、何か発見がある一冊だと思います。ぜひ一度手に取って、お子様といっしょに楽しんでください!

海外絵本におすすめの『ausrufezeichen』

プロフィール

brezel

ライター:brezel

ドイツに暮らして、はや十数年。ドイツ人の夫と、一男一女といっしょに、古城街道にある小さな村でのんびりとしたドイツ生活を送っています。
子供のときから大の本好きで、絵本や児童書の翻訳家になるため、ただいま勉強中。子供のために本を選びながら、いい本との出会いを楽しんでいます!

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