
今回、紹介するのは仏題『Léo et Popi』(英題『Tom and Pippo』)という絵本シリーズです。
タイトルに上げた『Chez le Docteur』(『けんこうしんだん』、ほるぷ出版社刊)をはじめ、『La Télévision』(テレビ)や『L’heure du lit』(寝る時間)など、小さいお子さんをお持ちであればよく遭遇するエピソードを3冊紹介します。
『Chez le Docteur』(けんこうしんだん)
かかりつけの小児科に健康診断に行ったレオ。相棒のぬいぐるみポッピと一緒なので、もちろん怖くなんてありません。
背中に冷たい聴診器をあてられたリ、お腹をポンポンたたかれたり、途中、ちょっとポッピのお耳も見てもらったり……。
『La télévision』(テレビ)
テレビでアニメを見るのが大好きなレオとポッピ。時間になるといつもママにテレビをつけてもらいます。
お話を全部ポッピに説明してあげるレオ。ついでにどうやってチャンネルを変えるのか、ポッピに見せてあげようとママの真似をしますが……。
『L’heure Du Lit』(寝る時間)
寝る時間になりましたが、なんとポッピが見つかりません。
レオはポッピが居ないと眠れないのです。パパとママとおうちの中をあちこち探し始めますが、レオは昼間、外でポッピと遊んでから、庭に置きっぱなしにしてきたことを思い出します。もう外は真っ暗ですが、パパとポッピを探しに行くことに……。
「Léo et Popi」のシリーズで取り上げられているのは、本当にありふれた日常的なエピソードばかりですが、だからこそ子どもの日々の成長、小さな冒険などに共感する部分がたくさんあります。
我が子は「テレビ」のエピソードに似た出来事で、私に怒られたことがあり、初めはバツの悪そうな何とも微妙な表情で聞いていたのですが、何度か読み聞かせるうちにテレビに関するルールを守るようになっていました。
また、子どもの成長過程で直面する小さな冒険や葛藤などと一緒にさりげなく描かれているのは、子どもを見守るべき両親や祖父母の接し方です。
絵本の中では、子どもが何かを失くしたら一緒に探しに行ってやったり、おりこうさんでいれば、ただ褒めてあげたり、特に気負うことなく、子どもから求められたら一緒に喜んであげる姿が描かれます。
しかし実際は、日々の生活に追われ慌ただしくしていると、子どもを見守ってあげる行動がなかなかとれないのが実情ではないでしょうか?
絵本を読むことで我が身を振り返ることが出来る点でも、密かに親にとっても良いお手本となるシリーズでしょう。
『Léo et Popi』シリーズは英語版、仏語版ともに、様々なシリーズが出ています。
フランスに限っては、月刊誌『POPI』も出ています。
取り扱うエピソードは今回紹介した3つのほかにも、トイレトレーニングであったり、幼稚園の初日や、祖父母との散歩の様子、初めてのレストラン、ベビーシッターのお姉さん、バカンスの先でのハプニング、公園での遊びや友達……など沢山あります。いずれも長い話ではないので月齢の低いお子さん向けの絵本です。
以前は、フランスのテレビでもアニメが放映されていたようで、現在はDVDが英語と仏語の吹き替えで出ています。アニメはいずれも一話が5~10分と短いお話なので、子どもも飽きずに見てくれました。
絵本の種類は、ソフトカバーなどのペーパーバック、しっかりしたハードカバー、全ページ厚紙のものとあります。月齢が低いお子さまには、ページをめくりやすく、破損を防げる全ページ厚紙のもの、旅行に持って行く際は、軽くて持ち運びしやすいペーパーブックがおすすめです。このように目的に合わせて絵本の種類を選べるのも魅力ですね。
本シリーズの日本語版では装丁のバリエーションがなく、訳されている作品が少ないのも残念なところです。
日本語訳されている絵本は『けんこうしんだん』(ほるぷ出版社刊)や『トムとピッポさんぽへおでかけ』(童話館出版社刊)など数冊のみで、シリーズ化の形態をとっていないので、検索する時は作者名「ヘレン・オクセンバリー」で検索してみてください。
ライター:Jintk
4歳違いの二人の息子のママです。今でも幼児教育において読み聞かせを重視しているフランス。その公立幼稚園で推薦図書として毎月定期購入していた絵本を読み聞かせていました。また日本語教育として日仏両語で出版されている絵本を購入することも。フランスでは学校の勧めで発音矯正士に通わせたりするケースがあり、きちんとした発音を大変気にします。そのためCD付きの絵本があればそちらを購入するようにしています。
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