天国ってどんなとこ? おじいちゃんの想像力あふれるノートを楽しもう!

海外絵本・英語絵本におすすめの『What pappens next?』
ライター:suppy

It Might be an Apple』(『りんごかもしれない』,ブロンズ新社刊)でお馴染みの絵本作家ヨシタケシンスケが、2016年に発表した『このあとどうしちゃおう』(ブロンズ新社刊)。いつもの想像力豊かな世界が展開しますが、今までの作品とは少し違います。

いきなり1ページ目から、「こないだ おじいちゃんが しんじゃった」と始まり、「ぼく」はおじいちゃんのベッドの下から「このあとどうしちゃおう」と書かれたノートを見つけます。そこには、おじいちゃんが将来死んだらどうなりたいか、どうしてほしいかが、たくさん書いてありました。

例えば「このあとのよてい」には、この世から幽霊センターへ、そして天国から生まれ変わりセンターへの道順が、シンプルかつ楽しそうに綴ってあります。その後も天国に行くときの格好から生まれ変わったらなりたいものや、こんな神様にいてほしいなどなど、おじいちゃんが考えていた「天国ってこんなところ」がぎっしり書いてありました。

ぼくとおじいちゃんの気持ちが、おじいちゃんのイマジネーションあふれるノートでしっかりとつながっていく、不思議で楽しく、少しセンチメンタルな物語です。

天国ってこんなとこ! 見るだけでワクワク♪

『このあと どうしちゃおう』の英語版が刊行されていると知って、すぐに購入! 早速息子と一緒に読み比べてみました。

英語版のタイトルは『WHAT HAPPENS NEXT?』(次は何が起こる?)。
おじいちゃんが書いた「てんごくって きっとこんなところ」は“Heaven Probably Looks Like This”。事細かに、2ページずつ見開きでいろいろなアイデアが描き込まれています。これぞヨシタケシンスケの真骨頂!

もちろん、天国があれば地獄もあります。
地獄は「いじわるなアイツは きっとこんなじごくにいく」と、おじいちゃんのライバル「アイツ」が登場します。英語版は“Hell Probably Looks Like This”。「きっと」のprobablyと「こんなところ」のlooks like thisはよく使う英単語なので覚えておくと良いですね。

海外絵本・英語絵本におすすめの『What pappens next?』

おじいちゃんのノートを見ているだけで、なんだか天国に行くのが楽しみになってきた「ぼく」。しかしふと、おじいちゃんは死ぬのが楽しみだったのだろうかと考えます。もしかしたら、逆だったのでは?

「ぼく」がノートから受け取ったのは、ただただ楽しいことだけではなく、おじいちゃんの不安と孤独もきちんと感じ取っていたのです。「このあと どうしちゃおう」ノートを書き綴っていたのは、楽しいことをたくさん考えて死ぬのが怖くなくなるようにしたかったのだと。

そう、「このあとどうしちゃおう」ノートとは、おじいちゃんの終活ノートだったのです。何度でも読み返したくなる楽しいノートであると同時に、「死」について考えさせられる、とても深いお話なのです。

小ネタを探して細かいところもじっくりと

海外絵本・英語絵本におすすめの『What pappens next?』

物語ではありますが、おじいちゃんのアイデアノートとしてのページがメインなので、読み聞かせというよりは一緒に細かい部分まで見て楽しむスタイルをお勧めします。実際、学校の読み聞かせで読んでみたものの、イラストの細かいところまではわかりにくく、大勢の児童に読むにはあまり適していなかったようです。

じっくりと親子で見ていると、小ネタを見つけ出しては我先に言い合って楽しめました。私は天国で有名人に会えるイラストがデヴィッド・ボウイ似なのを発見、息子はみんなに作ってほしい記念品のページにある「おじいちゃんのえいが」のパート2を裏表紙に見つけました。

海外絵本・英語絵本におすすめの『What pappens next?』

英語版はあくまでも日本語の翻訳という形ですので、英文は小学生高学年までのお子さんでも難しいかもしれません。絵本のテーマである「生死」に関係のある英単語をピックアップして覚えておくのも、親子ともども勉強になると思います。

「おじいちゃん」「おばあちゃん」は“Granpa”“Granma”、「天国」「地獄」は“Heaven”“Hell”、「死ぬ」“I die”と「生きている」“I’m alive”など、対義語も多く見られます。なによりノートのイラストに書かれた小さな文字を、日本語と英語両方で見比べてみるのもとっておきの楽しみ方ですね。

おじいちゃんの想像力がすごすぎる!

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息子の感想は一言、「おじいちゃんの想像力がすごすぎる」。もちろん、私も同感です。確かにノートに描かれている「こんなお墓を作ってほしい」の大型滑り台型お墓にはびっくりしました。

息子が一番お気に入りだったのは、「みんなに作ってほしい記念品」のページです。おじいちゃんランドにおじいちゃんカード、おじいちゃん映画にハナウタCDベスト盤など、内容を想像しただけでも本当に面白いものばかり!

「ぼく」はおじいちゃんの想いを知ってから、自分でも「このあと どうしちゃおう」ノートを書こうとします。ところが考えれば考えるほど、思いつくのは今生きている間に何をしたいかばかり。結局「いきているあいだは どうしちゃおう」ノートがあってもいいかなと思うのでした。

そんな「ぼく」同様、息子はもちろん私ですら、今生きている間にどんなことがしたいのかを考えたくなりました。親子でそれぞれに「いきているあいだはどうしちゃおう」ノートを書いて、見せ合うのもきっと楽しいでしょう。

ヨシタケシンスケの絵本を読むたびに、いつもどの作品でも作家自身の想像力のすばらしさを痛感します。特に『このあとどうしちゃおう』では、生死という重いテーマをこんなにもフワッとした感覚でとらえ、子どもにもわかるように見事に扱っていることに感服しました。

イラストのおじいちゃんの顔を見ていると、息子にとってのおじいちゃん、つまり私の父の顔がよぎり、もし父がこんなノートを準備しているとしたらどんなノートになるだろうと想像してもみました。

子どもの「死んだらどうなるの?」という純粋で難しい疑問に応え、「生死」についてうっすら考え、希望に満ちた今を生きる提案をしてくれるすばらしい絵本です。

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プロフィール

suppy

ライター:suppy

9歳になる息子と今まで多言語学習と世界の絵本に親しんできたアラフォーママです。
いろいろな国の言葉に触れて世界に興味を持ってほしいと思い、こども図書館やおはなし会に通って、たくさんの絵本と出会いました!
子どもと一緒に英語の発音を改めて勉強するつもりで、今も英語絵本の読み聞かせをしています♪

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