【連載企画】子どもの英語力を伸ばすのは、仲良し家族パワー

英語環境作り
幼児英語研究家で『バイリンガルは5歳までにつくられる』(幻冬舎メディアコンサルティング)の著者である三幣真理さん。お金をかけずに、自然な形で作れる英語環境作りについて全5回連載。今回は、子どもの英語力を伸ばす親のあり方、子どもへの接し方を教えていただきました。
【5歳までにに家庭でお金をかけずにできる英語環境作り】
第1回 子どもの英語力を伸ばすのは、仲良し家族パワー
第2回 乳児のうちに整えたい英語環境 

英語を使える=チャンスを逃さない

「英語ができなくても生きていける」と思っている日本人は未だに多いと思います。ですが、インターネットの普及により、英語がますます国際共通語として近い存在になりました。

インターネット上の文字情報は英語優位。実に世界の半数以上のwebページが英語で書かれています。英語が使えるほうが、新しい情報の獲得が圧倒的に有利です。英語で書かれた情報を、自由自在に読みこなしたり、自分の持つ情報を英語でも発信できたりしたら、多岐にわたる分野でチャンスが広がることは想像に難くないでしょう。最新の情報が訳されるのを待つのでは遅いし、自分の意見を英訳してもらうのを待っていては他に先を越されてしまう時代なのです。英語を避け続けることで未来が狭まるということは、「英語ができなくても良い」という考えをお持ちの方でもわかるでしょう。

スタート地点でハンディを負わない

5歳までの英語環境作り

小学校から英語教育が始まった効果で、子どもに英語を習わせる家庭も増え、その時期も年々早まっています。小学校の中学年にもなると、英語を習っている児童がクラスの半分以上ということが地方でもみられます。都内ともなれば、もっと高い割合になるでしょう。そうなると習っていない児童はこの時点で自己防衛本能からか「英語は嫌い。できなくても生きていけるからこのままでいい」ということを言いがちです。授業も否定的な自己暗示により、余計に頭に入らず、ますます他の児童と差がつく悪循環に陥ります。

この状態から脱却するには、家庭でいくら助けようとしても難しいでしょう。それこそホームステイさせて他児童を圧倒させるような英語力をつけないと拭えないほどの劣等感なのです。もちろん、そんなことにならない児童もいるでしょうが、その時にならないと分かりません。その危険をあえておかすよりも、英語が外国語であると理解する以前から英語に慣れ親しんでおく方が、よほど子どものためになるでしょう。

英語よりもまずは日本語が重要。それは否定しません。ですが、日本語力がついてから英語を学ぶ方が効率的である、という考えには私は反対です。早期英語教育不要論を唱える方々は、大きく2つに分けられると思います。1つは子どもの能力を甘く見ているケース。乳幼児の脳は、大人とは比べ物にならないスピードで、大量の情報を吸収・処理しているのです。自分ができないから子どもには無理、と考えるのは間違いです。もう1つは、自分が従来の英語の授業だけで、英語力がついたケースです。日本人訛りは仕方ないとしても、英文法と単語力さえあれば問題ない、という主張です。これは本人の生まれ持ったセンスか努力、あるいは両方が必要となります。これで成功するのはほんの一握り。日本人の大卒者の英語力を見ればどれだけ甘い考えであるか明快でしょう。

日本語と結び付けない

日本語と英語はあまりにも違う言語ですので、子どもが混同することはあまりありません。逆に日本語が確立されてから英語を学ぼうとすると、自分の知っている日本語の知識に強引に当てはめようとし、自然に覚えられないことが出てきます。英語と日本語の文法が一緒で、単語も1対1で対応しているならば問題ありませんが、実際は違います。音に関してもそうです。耳が聞き取れる音は、成長するとともに母語に合わせて自然に調整されてしまい、多くの日本人乳児はLとRを区別できなくなってしまうという研究もあります。さらに平仮名の読み書きができるようになっていると、英語を聞いた時に読み仮名を日本語で表現してしまうようになります。

日本人の英語にありがちな、母音挿入という悪癖が幼児期に身についてしまうとネイティブ発音には到底、なれません。それにLもRも「ラリルレロ」とは異なる音です。それを一括りに表記してしまうことで、聞き取る能力も、発音する能力も自ら放棄することになります。また、聞いた英語を仮名で書き表す癖がついてしまうと、カナから英語に直そうとした時に、正しい綴りが出てこなくなります。なるべく英語はアルファベットで表記する癖を早いうちから身につけることが肝要です。

英語を勉強と思わせない

5歳までの英語環境作り

とにかく、英語は日本語と同じように乳児のうち(欲を言えば、お腹の中にいる時から)浴びせるように生活すれば、よりネイティブに近くなるでしょう。「さあ、英語の時間よ」と家族が構えてしまうと、不自然さが子どもにも伝わってしまいます。あくまでも英語は生活の一部として当たり前にしておくことが重要です。また、家族全員で英語を楽しんでいることも重要です。

お金をかけずに家庭で英語力をつけさせることは可能です。ですが、家族が仲良く、同じ方向を見ていないと厳しいでしょう。一人でも「英語なんて」と違う方向を見ていると、必ず子どもは引きずられてしまいます。子どもの英語力は、まずは家族の心構えから始まると考えてください。そこに適齢適学で誘導(指導と思わないで)していけば、自然な英語力の素地ができるはずです。あまり気を張らず、楽しみながら行なっていきましょう。

【5歳までにに家庭でお金をかけずにできる英語環境作り】
第1回 子どもの英語力を伸ばすのは、仲良し家族パワー
第2回 乳児のうちに整えたい英語環境 

プロフィール

三幣 真理(さんぺい まり)

ライター:三幣 真理(さんぺい まり)

幼児英語教育研究家。米国ヒューストン生まれ、カナダ育ち。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、フリーランスで翻訳・通訳の仕事に携わるほか、日本の英語教育学者の第一人者である東京大学名誉教授の岡秀夫教授に師事。現在は敬愛大学及び敬愛短期大学で英語科目を担当。プライベートでは、英語の苦手な日本人との間にもうけた一女をバイリンガルに育てた。

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